原始民族も「座りすぎ」だった
座りすぎに関連する疾患は、先進国の現代人に特有のもので、現生する狩猟採集民にはまったく見られません。
今回、研究チームは、原始民族の健康の秘密を探るため、タンザニアに住む狩猟採集民のハドザ族に協力してもらいました。実験では、彼らにGPSを装着して1日の運動量を計測しています。
結果は、前予想の通り、狩猟採集に伴う高い運動量が確認されましたが、意外だったのは休息時間も多かったことです。特に座る時間は、先進国の現代人と同じくらいで、最長9〜10時間に達していました。
それでもなお、ハドザ族には座りすぎによる疾患がほとんど生じません。
その理由は、ハドザの休息姿勢が椅子に座るのではなく、「しゃがむ」ことにあったのです。