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なんで日中温度が400℃の水星に「氷」があるの? (2/3)

2021.01.27 Wednesday

2020.03.17 Tuesday

前ページ水星を巡る水の存在

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月のようにボコボコの惑星

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月のように凸凹のクレーターができた水星表面。/Credit:NASA

水星は太陽系惑星ではもっとも小さく、実際月より多少大きい程度のサイズしかありません。

見た目も月にそっくりで、表面が凸凹していますが、これは水星が大気を持たないため、小惑星の衝突を防ぐことができないからです。

2011年に水星軌道に到達したNASAの探査機メッセンジャーは、水星の極冠クレーターに、氷の存在を裏付けるデータを送信しました。

水星は太陽に近いため日中温度は400℃に及びます。しかし、夜間の温度は逆に-200℃まで低下します。

極端な温度環境では、いくら極点といえど、永久的な水氷が生まれることは難しいようにも感じられますが、この高温環境が水を作り出し、ボコボコのクレーターが極点に永久的に太陽光の届かない日影を作り出しているのです。

水星は大気が存在しないため、日影に入り込んだ場合、そこに熱を伝える手段がありません。そのため、永久的な影には永久氷河が出来上がるのです。

今回のモデルで想定される氷の生成量は、300万年間でおよそ110億トンになるといいます。これは水星の総氷量の10%を簡単に占める可能性があります。

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