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大きな銀河は小さな銀河を食べることで成長する

2021.01.27 Wednesday

2020.04.25 Saturday

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ガス密度を重ねた暗黒物質密度の分布を示すシミュレーション/Credit:ASTRO 3D
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  • 大きい銀河にある星の多くは、他の銀河から取り込まれたものだった
  • 成熟した銀河は、若い銀河よりもたくさんの銀河を取り込んでいることが判明
  • 銀河は、自分よりも小さくて若い銀河を「食べる」ことで進化する

宇宙には、天の川銀河以外にも数多くの銀河が存在します。

それら銀河の大きさや年齢は様々であり、その進化過程は未だ謎に包まれています。

しかし、オーストラリアのASTRO 3Dのアンシュ・グプタ氏らの研究によって、古くから存在する大きな銀河は、小さな銀河を吸収することによって成長してきたと判明しました。

銀河の進化過程を知る方法

銀河の形成と進化を把握することは非常に難しいとされています。なぜなら、それらを実際に「見る」ことはできないからです。

ほとんどの銀河は約120億歳ですし、既知の銀河で最も若いものでさえ、既に5億歳なのです。

しかし、主に2つの方法が「形成と進化」知るために、効果的だとされています。

1つ目は、「時間を遡った観測」です。

光が私たちのところに届くまでには、時間がかかります。

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Credit:NPO法人 小さな天文学者の会 山形大学理学部

例えば、100万光年離れている銀河の情報は、100万年かけて私たちの元に届きます。つまり、私たちが観測しているのは「100万年前の銀河」ということになります。

当然、遠ければ遠いほど、その分時間は遡ります。

科学者たちは、遠い位置にある銀河を見つけることで、時間を遡って「若い」銀河を観測できるのです。

そして、遠くにある(若い)銀河と近くにある(成熟した)銀河を比較することで、進化の過程とその要因を知ることができます。

2つ目は、シミュレーションです。

スーパーコンピューターを用いて、銀河の進化をシミュレーションすることが可能です。

そして、今回の研究に用いられたシミュレーションは、「IllustrisTNG」です。

「IllustrisTNG」は、特別に設計された宇宙論理モデリングプログラムであり、宇宙の大規模なシミュレーションが可能です。

グプタ氏ら研究チームは、これら2つの方法を用いて、銀河の進化について新たな可能性を発見したのです。

次ページ古くて大きな銀河は、若くて小さな銀河を食べてきた

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