- 大きい銀河にある星の多くは、他の銀河から取り込まれたものだった
- 成熟した銀河は、若い銀河よりもたくさんの銀河を取り込んでいることが判明
- 銀河は、自分よりも小さくて若い銀河を「食べる」ことで進化する
宇宙には、天の川銀河以外にも数多くの銀河が存在します。
それら銀河の大きさや年齢は様々であり、その進化過程は未だ謎に包まれています。
しかし、オーストラリアのASTRO 3Dのアンシュ・グプタ氏らの研究によって、古くから存在する大きな銀河は、小さな銀河を吸収することによって成長してきたと判明しました。
銀河の進化過程を知る方法
銀河の形成と進化を把握することは非常に難しいとされています。なぜなら、それらを実際に「見る」ことはできないからです。
ほとんどの銀河は約120億歳ですし、既知の銀河で最も若いものでさえ、既に5億歳なのです。
しかし、主に2つの方法が「形成と進化」知るために、効果的だとされています。
1つ目は、「時間を遡った観測」です。
光が私たちのところに届くまでには、時間がかかります。
例えば、100万光年離れている銀河の情報は、100万年かけて私たちの元に届きます。つまり、私たちが観測しているのは「100万年前の銀河」ということになります。
当然、遠ければ遠いほど、その分時間は遡ります。
科学者たちは、遠い位置にある銀河を見つけることで、時間を遡って「若い」銀河を観測できるのです。
そして、遠くにある(若い)銀河と近くにある(成熟した)銀河を比較することで、進化の過程とその要因を知ることができます。
2つ目は、シミュレーションです。
スーパーコンピューターを用いて、銀河の進化をシミュレーションすることが可能です。
そして、今回の研究に用いられたシミュレーションは、「IllustrisTNG」です。
「IllustrisTNG」は、特別に設計された宇宙論理モデリングプログラムであり、宇宙の大規模なシミュレーションが可能です。
グプタ氏ら研究チームは、これら2つの方法を用いて、銀河の進化について新たな可能性を発見したのです。