古くて大きな銀河は、若くて小さな銀河を食べてきた
新しい研究によって、銀河内のガスがどのように移動するかを分析することができます。
通常、銀河同士の融合は、新しいガス、星、暗黒物質を供給します。
ですから、ガスの動きを調べるなら、内部で作られた星の割合と、他の銀河から吸収した星の割合が明らかになります。
まず、研究チームは、100億光年離れた古くて「大きな銀河」に注目しました。その銀河内の動きを観測したところ、銀河内の物質が様々な方向に動きまわっている状態を発見しました。
グプタ氏によると、「このことは、その中にある星の多くが外部から獲得したものであることを強く示唆しています。言い換えれば、大きな銀河が小さな銀河を食べているということです」とのこと。
次に、近くにある「成熟した銀河」と遠くにある「若い銀河」の内部の運動学的特性を比べました。
その結果、「若い銀河」よりも、「成熟した銀河」の方が無秩序であると判明しました。
論文の共同著者であるASTRO 3-Dのキム・ヴィ・トラン氏によると、「最も可能性が高いのは、数十億年間生き残ってきた銀河は、より小さな銀河を取り込んで大きくなり、無秩序に成長してきたということです。私は、それら大きな銀河が常に空腹を抱えているようなものだと考えています」とのこと。
さて、今回の研究で「大きな銀河は小さな銀河を食べてきた」、「成熟した銀河は若い銀河よりもたくさんの銀河を食べてきた」というデータが得られました。
この2つから予測できるのは、「銀河の進化(年齢を重ね大きくなること)は、他の銀河を食べることで達成されている」ということです。
もちろん、これらの研究のデータは完全ではありませんから、今後、さらなる研究を行う必要があるでしょう。
しかし、今後も、観測とシミュレーションの比較が、銀河の進化過程のさらなる手掛かりを提出してくれることを期待できるでしょう。
研究の詳細は4月9日、「Astrophysical Journal」に掲載されました。