隕石の落下で死亡したとされる人物の最古の記録を発見

history_archeology 2020/05/03
Credit: depositphotos

地球には1日に数百万の隕石が飛来していますが、ほとんどが大気圏内で燃え尽きるため、地上には届きません。

ところが、中には大気圏を生き残って地上に落下するものがあります。

NASAのデータベースによれば、1988年以来、上空で爆発して隕石のつぶてを降らしたケースは少なくとも822回確認されているそうです。また、1日に最大17個のつぶてが地上に落ちています。毎日それだけ落ちていれば、隕石に当たって命を落とす人がいてもおかしくありません。

ところが意外なことに、隕石の落下によって負傷した人はいても、死亡したケースに関しては、信頼に足る記録はありませんでした

しかし、4月22日付で発表されたトルコ・エーゲ大学の研究によって、ついに隕石により死亡した男性の事例が見つかったのです。

隕石で死亡した唯一の人物か?

この事例は、トルコの歴史文書が保管されている「国家文書総局(General Directorate of State Archives)」にて発見されました。

研究チームは、同じ事件について記録した別々の文書を3つ発見しています。それらはデジタルのアーカイブに移されたばかりで、翻訳に骨の折れるオスマントルコ語で書かれていました。

内容を要約すると次の通りです。

事件が発生したのは、1888年8月22日。現地時間は、午後8時30分ころで、空に大きな火の玉が出現した。

その後、火の玉は上空で爆発、およそ10分間にわたって小村(現在のイラク・スレイマニヤ)に隕石のつぶてを降らし続ける。

それにより、男性1名が死亡、別の男性が重傷で、麻痺症状を負う。また、爆発の影響で、農作物に被害も出た。

研究チームによると、この文書は「隕石の落下で死亡者が出たことを証明する初めての証拠」とのことです。

南東の空からスレイマニヤに飛来した?/Credit: Unsalan et al., Meteoritics and Planetary Science, 2020

しかも、文書は、地方自治体が事件の詳細を政府(当時はオスマン帝国)に報告するために書かれたものなので、記述の正確性も高いと思われます。

一方で、隕石が出現した場所や高度、サイズ、スピードなどは分かりません。

現時点では、南東の空から落下地点のスレイマニヤに向かって飛来したと考えられています。

死亡した男性については、詳しい記載がなく、名前や正体も不明です。史上最も運の悪い人物だったことは確かでしょう。

隕石がお尻に直撃した女性も…

隕石で命を落とす確率は、かぎりなくゼロに近いと言えます。

2013年にロシアのチェリャビンスクに落下した巨大隕石ですら、1500名近くのケガ人を出しておきながら、死亡者はいませんでした。

それでも、隕石が当たって生き残った人の話ならいくつか存在します。

1954年11月30日、アメリカ・アラバマ州にて、アン・ホッジスという女性(当時、34歳)が、自宅ソファーでくつろいでいると、隕石のつぶてが屋根を突き破って、お尻に直撃したのです。

アンさんに直撃した隕石/Credit: ja.wikipedia

彼女はケガを負ったものの、命に別状はありませんでした。しかも、直撃後も歩けたそうです。

彼女はトルコ人の男性とは違い、史上最も幸運な女性だったのかもしれません。

 

研究の詳細は、4月22日付けで「Meteoritics & Planetary Science」に掲載されました。

【編集注 2020.05.03 019:40】
記事内容を一部修正して再送しております。

3,700年前に隕石が中東の一部を壊滅させた可能性があると判明

reference: sciencealertiflscience / written by くらのすけ
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