1人の感染者から合唱団の87%が新型コロナウイルスに感染した事例が報告される

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たった1人の感染者が2時間半の合唱練習でその場にいたほぼ全員を感染させた/Credit:cdc
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  • 僅か2時間半の合唱練習で参加者のほとんどがの攻撃に晒された
  • 5人に1人は超拡散能力を持つ可能性がある
  • 咳があるかないかを感染の指標にするのは危険

新型コロナウイルスは強い感染力を持っていることが知られていますが、その威力を端的に示す事件が起きてしましました。

たった1人の感染者によって、僅か2時間半の合唱練習で、同じ場所で歌っていた他のメンバーのほぼ全員(87%)を感染、または感染した可能性の高い症状を発症させました。

3密を完璧に備えた場所がいかに危険なのか、改めて教えてくれる事例です。

危険を無視した合唱練習

大きな声で歌う程、エアロゾル(飛沫)は多く拡散する/Credit:depositphotos

問題の合唱が行われたのは3月10日で、の危険性は既に知られていたはずでした。

しかし合唱団はリスクを無視し、感染者1人を含む61人を集めて二時間半の練習を実施。

結果としてほぼ全員(60人中53人)に感染確定(33人)かコロナウイルス特有の症状を発症(20人)させ、3人が入院し、2人が死亡しました。

合唱の練習に参加した人の平均年齢は69歳(84%が女性)であり、高い平均年齢も被害の増加につながった可能性があります。

今回の痛ましい事件は、改めて社会的距離の重要性を浮き彫りにしました。

5人に1人は超拡散能力を持つ可能性がある

実験では5人に1人に超拡散能力があった/Credit:nature scientifuc reports

2月に行われた研究では、歌うことが咳と同じくらいの量のエアロゾル(飛沫)を発生させることが判明しました。

また、研究に参加した40人のうち8人(20%)が通常の会話で、平均的な人間より1桁多い量のエアロゾルを発生させる超拡散能力のある人間(スーパーエミッター)であることがわかりました。

この比率が大規模な実験でも当てはまるかは不明ですが、エアロゾルを超拡散させる能力のある人間は決して少なくないことを示唆しています。

そのため、今回の合唱のように、何十人も集まる場所でマスク無しに歌ったり会話をすることは、極めて危険であり、数%の確率ながら、そのまま死亡に繋がります。

今回の事件も感染しても咳が出ない患者がいた

Credit:depositphotos

感染が確認された人の中で、発症時と経過中に随時報告される最も一般的な徴候と症状は、咳(それぞれ54.5%と90.9%)、発熱(45.5%、75.8%)、筋肉痛(27.3% 、75.0%)、頭痛(21.2%、60.6%)。

数人の患者は後に下痢(18.8%)、吐き気(9.4%)、腹部のけいれんや痛み(6.3%)などの消化器症状を発症しました。

感染者のうち18.2%は重篤なウイルス性肺炎を引き起こし9.1%は呼吸不全に陥りました。

ですが特に注目すべきは、感染者の1割は感染から時間が経過しても、咳がなかったことです。

このことは、咳がなければに感染していないとする判断の危険性を示唆しています。

さらに、感染者の中にはこれらの症状を一切発症せず、匂いと味覚の喪失だけを経験した人も1人いました。

もし彼らが感染をただの風邪だと判断して外に出歩けば、被害はさらに拡散します。

今回の事件が、多くの人の教訓になることを願うばかりです。

 

報告内容はアメリカCDC(防疫当局)によってまとめられ、5月12日にCDCの週次レポートとして発表されました。

High SARS-CoV-2 Attack Rate Following Exposure at a Choir Practice — Skagit County, Washington, March 2020
https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/69/wr/mm6919e6.htm

 

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reference: cdc / written by katsu
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