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厚さは分子1個分!? 驚異の極薄プラスチックが開発される (2/2)

2021.01.28 Thursday

2020.07.24 Friday

前ページ極薄素材の開発

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極薄シートが作る未来

一般的には、スチレンを架橋重合すると3次元的なネットワークを作るため、紐状の分子構造が絡まったような状態になります。

しかし、この手法を用いると分子は3次元的に結合できないため、2次元上に均一に分散していきます。

この2次元の結びつきだと分子が絡まり合わないため、通常の高分子シートとは異なる性質が見られるようになり、柔軟性が大幅に向上することが明らかになりました。

それは、まるでスライムのような流動性を示したのです。

これは今回の研究から明らかにされた、極薄高分子シート特有の極めて重要な性質です。

今回の手法を用いれば、高分子シートを簡単にかつ大量に合成することができるといいます。

また、今回明らかになった極薄シート特有の柔軟性に富んだ性質もあり、今後の高分子・化成品産業で広範な応用が期待されているとのこと。

研究者の想定する応用先は、接着剤や医療用シート、またスマホや車のコーティングなどです。

これまでになかった分子1つ分という、飛んでもない薄さの夢の素材。これは一体どんな風に利用されていくのでしょうか。

みなさんなら、どんな製品を思い浮かべるでしょう。

この研究は、東京大学大学院新領域創成科学研究科の植村教授らの研究チームより発表され、論文はオープンアクセスのオンライン科学誌『Nature Communications』に7月17日付けで掲載されています。

Unimolecularly thick monosheets of vinyl polymers fabricated in metal–organic frameworks
https://www.nature.com/articles/s41467-020-17392-1

お湯の熱エネルギーを約一年間保存できるセラミックが発見される。 水を温める手間がなくなるかも!?

reference: 東京大学/ written by KAIN
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