誕生日に金属探知機をもらった少年が、その初回に約300年前の名刀を発見するという、とんでもないビギナーズラックが起こりました。
剣を見つけたのは、北アイルランド・ティロン州在住の少年フィオナン・ヒューズくん(10)。
フィオナンくんは、2年ほど前から金属探知機に興味を示し、先月の誕生日に念願のマイ探知機をプレゼントしてもらったそう。
早速、自宅近くの広場で試してみたところ、一発目でいきなり大物を掘り当ててしまったのです。
竜騎兵が愛用した18世紀の名刀か
父親のポールさんは「息子は日頃から金属探知機を欲しがっていたので、10歳の誕生日に思い切って、おもちゃより性能の良いものをプレゼントしました」と話します。
先月29日の夕方頃、2人は近所の空き地でおニューの探知機を試してみました。最初に2度、探知機が信号を発しましたが、どちらも取るに足りない小物だったそう。
ところが、直後の3回目に探知機が示した場所を掘り返してみると、地中30センチあたりに錆びついた剣が見つかったのです。
フィオナンくんは「最初、それが何なのか分からなかったけど、とてもワクワクした」と話しています。
ポールさんは「剣が価値のあるものではないか」と思い、専門家や古美術商に画像を送りました。その結果、ほとんどの専門家が、17世紀後半〜18世紀の剣という点で意見が一致しています。
古美術商を30年以上務めるフィリップ・スプーナー氏は、フィオナンくんの大発見に驚きを隠せない様子。
「これは持ち手にカゴ編み状のガードがついた、いわゆるバスケット・ヒルト・ソードと呼ばれるタイプの剣で、1720〜80年の間にイギリスのドラグーン(竜騎兵)が使っていた名刀です」と説明します。
また、55年にわたり骨董品の取り引き業を営むマークとデイビッドのホーキンス老兄弟も「写真を見るかぎり、バスケット・ヒルト・ソードで間違いない」と指摘。
兄弟によると「バスケット・ヒルト・ソードは1610年頃にヨーロッパで登場したものだが、発見された剣は、デザインから察するに、17世紀後半〜18世紀に使われたものと思われる」と言います。
ポールさんは、剣が自宅で錆びついたまま放置されるのを避けたいと考え、現在は北アイルランド国立博物館のグリーア・ラムジー博士のもとで詳細な分析が行われているとのこと。
調査次第では、イギリスの名剣士が愛用した剣と判明するかもしれません。
一方のフィオナンくんは、剣が歴史的に価値の高いものであることを望む反面、次のお宝を探知しに行くのを待ちきれないようです。