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火星と木星の間にある「小惑星プシケ」は崩壊した惑星コアかもしれない (2/2)

2021.01.27 Wednesday

2020.08.17 Monday

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プシケのクレーターと一致する組成は?

探査ミッションが実行される前にも入念な準備が必要です。事前にプシケについて知っておくことで、調査に必要なツールを備えておけるでしょう。

そのためコールドウェル氏によってプシケの3Dモデルが作成されました。

プシケにはクレーターが確認されており、これは物体が衝突したときにできたものです。そのため衝突時の挙動をシミュレーションすることで、衝突時の角度やプシケの組成を明らかにできるのです。

シミュレーションの結果、プシケは多孔質(小さな穴が多数ある状態)であり、その組成は合金「モネル」に非常に近いと判明。

モネルは主にニッケルと銅からなる合金であり、カナダの「サドベリー隕石孔」の鉱石をもとに作成されたものです。

サドベリー隕石孔は隕石衝突によってできた大きなクレーターであり、そこに残された鉱物は隕石から来たと考えられています。

つまりモネルは地球外を起源とする金属と同じ組成であり、この組成は小惑星プシケにも共通するというわけです。

実際にモネルで想定したインパクトシミュレーションは、プシケと同じクレーターを作りました。

これにより、プシケが降着段階(ガスや塵などが引力で衝突・合成することで天体形成していく段階)で崩壊した惑星コアの残骸である可能性が高くなりました。

プシケとほぼ同じ組成の金属が明らかになったので、将来の調査に向けてさまざまなテストが行えるでしょう。

この研究は「Icarus」に掲載されます。

Understanding Asteroid 16 Psyche’s composition through 3D impact crater modeling
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0019103520303304?dgcid=author#!

約8億年前に地球と月を「小惑星のシャワー」が襲っていたという調査結果

reference: lanl / written by ナゾロジー編集部

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