すべてのペンギンの祖先は、”失われた第8大陸ジーランディアの住人”だった

paleontology

Credit:Simone Giovanardi/Massey University

愛くるしい姿で人気のペンギンですが、彼らはかなり鳥類の中でも特殊な形態をしています。

また、ペンギンは南半球にしか生息していません。

このことについて、8月12日付けで『Proceedings of the Royal Society B』に掲載された新しい研究は、最近発見された絶滅したペンギンの化石から、現代のペンギンがすべて同じ祖先から進化した子孫である可能性が高いことを報告しています。

そして、そのすべてのペンギンたちの祖先は、現在では失われてしまった幻の大陸が出身地だというのです。

新たに発見された古代のペンギン「エウディプテス・アタトゥ」

Eudyptes atatu」の化石。右上(b)は比較するために置かれた現存するハシブトペンギンの骨。/Credit: Jean-Claude Stahl, Museum of New Zealand Te Papa Tongarewa / R. Paul Scofield, Canterbury Museum

先月、ニュージーランド北島で、300万年前の保存状態が良い鳥類の化石が発見されました。

この化石は、これまで発見されていない未知のマカロニペンギン(目の上に黄色い飾り羽のあるペンギン)の古代の種でした。

新たに名付けられた学名は「Eudyptes atatu(エウディプテス・アタトゥ)」です。

Eudyptes(エウディプテス)は、目の上に黄色の飾り羽があるペンギンを指していて、この種のペンギンの学名にはみんなこの単語が付けられています。

atatu(アタトゥ)という言葉は、「夜明け」を意味するマオリ語(ニュージーランドの先住民の言語)が由来です。

ニュージーランドは地球上でもっとも多くのペンギンがいる国で、約13種の生息が確認されています。

化石は沿岸部の岩から地元の収集家たちによって発見され、ニュージーランド国立博物館「テ・パパ・トンガレワ」に報告されました。そしてこの化石の分析が始まったのです。

現存する種と古代のペンギンの比較

研究チームはこの化石を、現存するエウディプテスに分類されるペンギンの骨と比較してみました。

ハシブトペンギン
「Eudyptes(エウディプテス)」に分類されるペンギンの1種「ハシブトペンギン」。/Credit:Wkipedia

すると古代のペンギン、エウディプテス・アタトゥは、現存種とかなりくちばしが似ていましたが、それより細長いことがわかりました。

このことは現代のペンギンと、エウディプテス・アタトゥが近縁でありながらも異なる食生活を送っていたことを示唆しています。

つまりエウディプテス・アタトゥは現存するペンギンの祖先であるか、祖先の姉妹種の可能性が出てきたのです。

ペンギンたちの故郷は失われた大陸

エサの変化など、化石から得られた情報を分析した結果、エウディプテス・アタトゥはすべてのペンギンたちの祖先から進化した1種である可能性が出てきました。

ニュージーランドにはペンギンの他にも80種以上の海鳥が生息していますが、そのうちの3分の1はこの地域固有の種です。

ニュージーランドがこれほど海鳥の多様な地域になっている理由や、多様なペンギンの種が発生している土地になっていた可能性については、かつてこの地に存在していた大陸ジーランディアが重要な関連を持つと考えられます。

失われた大陸ジーランディア。ニュージーランドはその一部が海上に残ったもの。/Credit:World Data Centre for Geophysics & Marine Geology/NGDC, NOAA

オーストラリアの東、ニュージーランド周辺にはかつて「ジーランディア」と呼ばれる8番目の大陸が存在していたと報告されています

この大陸はゴンドワナ大陸から分裂した陸地でしたが、太平洋プレートの移動が影響して5000万年近い時間をかけてゆっくりと沈下していき、約2400万年前に海底へ姿を消したと考えられています。

ニュージーランドはそのとき残された陸地の一部です。

エウディプテス・アタトゥはジーランディアが沈んでから、数千万年もの間、ニュージーランドに住んでいました。

しかし、その進化の枝分かれは6000万年前までさかのぼると考えられます。

さらにこの古代の祖先は先史時代の「メガペンギン」だった可能性があるとのこと。

メガペンギンは2017年に発見が報告された、体長が170cm以上、体重は100kgもあったとされる巨大な古代のペンギンです。

このメガペンギンは、オーストラリアの半分近い面積を持ったジーランディアに生息していて、エウディプテス・アタトゥもそこから枝分かれした可能性があるのです。

そしてジーランディアが沈没したために、ここから派生した多くの多様なペンギンたちは南半球全体へ散らばっていきました。

もちろんここまでの推定は、まだ明確な証拠があるわけではありません。しかし、エウディプテス・アタトゥの化石は、ニュージーランドが海鳥の多様な宝庫である原因や、古代の大陸について探る重要な手がかりである可能性が高いと研究者たちは考えています。

それは今後の化石の継続調査から、さらに明らかになるでしょう。

【編集注 2020.09.25 18:00】
記事内容に一部誤りがあったため、修正して再送しております。
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