FutureFeedを食べる牛
FutureFeedを食べる牛 / Credit:CSIRO
biology

温暖化を加速させる「牛のげっぷ」は“海藻飼料”で80%削減できる (2/2)

2021.01.27 Wednesday

2020.09.25 Friday

前ページ温室効果ガス総排出量の20%以上は家畜のげっぷやおなら

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海藻飼料添加物が牛のメタンガスを80%以上削減

Asparagopsis種
Asparagopsis種 / 海藻Asparagopsis種/Credit:CSIRO

FutureFeedには、食用の海藻であるAsparagopsis種が使用されています。

Asparagopsis種はブロモホルムと呼ばれる有機化合物を生成するのですが、このブロモホルムには飼料消化する際、腸内の特定の酵素を阻害しメタン生成を防ぐ働きがあるのです。

実際、FutureFeedは腸内メタンの生成を80%以上削減しました。

さらにCSIROの科学者は、FutureFeedが世界中の肉牛・乳牛畜産の10%に採用された場合、温室効果ガス排出量を年間約120メガトン削減できると予測。

これは世界の道路から5000万台の自動車を取り除くのと同じ影響があると考えられています。

FutureFeed
FutureFeed / 海藻を乾燥・加工したFutureFeed/Credit:CSIRO

またメタンへの代謝変換は飼料エネルギーと飼料費の最大15%に相当します。そのためメタン削減は本来メタンとして放出されるはずだったエネルギーの代謝利用や、生産者への経済的利益をもたらす可能性があります。

今後、新会社FutureFeed Pty Ltdは、海藻の栽培から飼料製造に至るまで分析・展開し、FutureFeedを牛肉・乳製品業界に供給していく予定です。

また彼らは2021年半ばまでにオーストラリアの牛肉・乳製品市場に供給されるFutureFeedの商業生産量が増加し、国際市場もそれに追随すると予想しています。

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