琥珀に保存された9900万年前の昆虫をデジタル状で再構築
琥珀に保存された9900万年前の昆虫をデジタル状で再構築 / Credit: D. Peris & R. Kundrata et al
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“琥珀から見つかった9900万年前のナゾの甲虫”の正体が3D復元により暴かれる! 日本のコメツキムシの祖先の可能性(ミャンマー) (2/2)

2021.08.27 Friday

2020.10.18 Sunday

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環境の激変で絶滅した?

同チームは形態分類とは別に、ミステリオモルフィデの進化史を調べました。

これまでの研究では、長い生物史の中で、甲虫の絶滅率は比較的低いことが指摘されています。

ところが、採取された複数の標本を分析したところ、ミステリオモルフィデは白亜紀の終わりまで生き残れなかったという結論が出ました。

3D復元された「ミステリオモルフィデ」の頭部
3D復元された「ミステリオモルフィデ」の頭部 / Credit: nature

その背景には、白亜紀に起こった環境の変化が関係していると見られます。

白亜紀には、それまで世界中に広がっていた「裸子植物」に代わって、花を咲かせる「被子植物」が急速に繁栄しました。その変化は、受粉媒介者のような新たな昆虫の繁殖に火をつけましたが、対照的に適応できなかった生物は次々と姿を消していったのです。

その中に、ミステリオモルフィデも含まれていたのでしょう。

さらに、同時期に激増した哺乳類や鳥類も、ミステリオモルフィデを捕食対象にして、個体数の減少を加速させたと思われます。

それでも、数千万年前という太古の昔に絶滅した昆虫をこうして見られるのは大変貴重なことです。

まさに琥珀は、過去を保存する”タイムカプセル”と言えるでしょう。

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