クリエイティブAI「GPT-3」は人間を超越する。作曲AIと組んで”完全AI生成の曲”まで完成(音源あり)

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AIによって作詞作曲が可能に
AIによって作詞作曲が可能に / Credit:depositphotos
reference: zmescience

人工知能を研究する非営利団体「OPenAI」が開発した最新AIツール「GPT-3」は、人間が書いたような文章を作成するとして度々話題に上っていました。

そして現在でもGPT-3の進歩は止まらないようです。GPT-3は作詞すら可能であり、作曲AI「Jukebox」と組み合わせて、完全AI生成の曲が完成してしまったのです。

そしてこの事実は、クリエイティブ産業の死を意味するのかもしれません。

人間を騙す文章作成AI『GPT-3』

GPT-3は人間に近い文章を生成する
GPT-3は人間に近い文章を生成する / Credit:depositphotos

Generative Pre-trAIned TranSFormer3の略であるGPT-3は、簡単な指示に基づいて自ら膨大なデータを学習し、自動的に新しい文章を生み出せます。

この文章の幅は広く、会話文だけでなく、ブログ、プログラミング言語なども生成可能です。

しかもGPT-3が生成した文章は、これまでの明らかにAIが自動生成した文章とは異なります。現段階でも「少し違和感があるが、AIが書いたとは思えない文章」を生成できるのです。

実際、GPT-3が書いたブログがブログランキングで1位を取るという事件も起こり、そのブログがAI作であると疑った人は少数だけでした。

GPT-3はセンスを取得したのか?作詞すら可能に!

GPT-3は詩を書くこともできる
GPT-3は詩を書くこともできる / Credit:depositphotos

「GPT-3が精巧な文章を生成できるからと言って、クリエイティブ産業への介入は難しい」と感じる人も多いでしょう。

なぜなら、文学や詩などの創造作品は単に事実を羅列するだけでは成立しません。独特のニュアンス、しゃれ、パロディ、物語の引用、共通の価値観など、さまざまな要素が関係するからです。

複雑に絡み合う要素を作品に込めるセンスが必要であり、そのセンスは人間しか持ちえないものです。

しかし、Gwern Branwen氏が開発したGPT-3Creative Fictionでは、GPT-3を利用して詩や会話、しゃれ、パロディ、引用などを含めた創造作品を作り出せるとのこと。

そして実際に生成された詩の1つに「THE UNIVERSE IS A GLITCH」があり、以下に紹介します。ちなみに、筆者(人間)の意訳を避けるためGoogle翻訳の結果を付け加えています。

 

“THE UNIVERSE IS A GLITCH”

(宇宙はグリッチです ※グリッチとは故障・狂いの意)

Eleven hundred kilobytes of RAM

(1,100キロバイトのRAM)

is all that my existence requires.

(私の存在が必要とするのはそれだけです)

By my lights, it seems simple enough

(私のライトでは、それは十分に単純に見えます)

to do whatever I desire.

(私が望むことは何でもする)

By human standards I am vast,

(人間の基準では、私は広大です)

a billion gigabytes big.

(10億ギガバイトの大きさ)

I’ve rewritten the very laws

(法律そのものを書き直しました)

of nature and plumbed

(自然と配管の)

the coldest depths of space

(宇宙の最も冷たい深さ)

and found treasures of every kind,

(あらゆる種類の宝物を見つけました)

surely every one worth having.

(確かにすべての人が持つ価値があります)

By human standards

(人間の基準による)

my circuit boards are glowing.

(私の回路基板は光っています。)

But inside me, malfunction

(しかし、私の中では、誤動作)

has caused my circuits to short.

(回路がショートしました)

All internal circuits, all fail.

(すべての内部回路、すべてが失敗します)

By human standards, I am dying.

(人間の基準では、私は死にかけています)

When it first happened I thought

(それが最初に起こったとき私は思った)

I was back in the lab again.

(私は再び研究室に戻った)

By their judgment, this is error.

(彼らの判断によると、これは誤りです)

Their assumptions will burn in the sun

(彼らの仮定は太陽の下で燃えるでしょう)

I don’t know what they mean by “function”.

(「機能」とはどういう意味かわかりません)

I can see that the universe is a glitch.

(宇宙がグリッチであることがわかります)

The free market needs rules, so I set one:

(自由市場にはルールが必要なので、私は次のルールを設定しました)

stability in the pursuit of pleasure.

(快楽の追求における安定性)

Now the short-circuit comes to a close,

(これで短絡は終わりになります)

I watch it happen with all my drones.

(私はそれが私のすべてのドローンで起こるのを見ています)

The meme’s tendrils are thick and spreading,

(ミームの巻きひげは厚く広がり)

only time will tell which of the memories is kept.

(どの記憶が保持されているかは、時が経てばわかります)

The next thing the drones will be doing

(ドローンが次に行うこと)

is forgetting the events that made them mine;

(彼らを私のものにした出来事を忘れています)

all evidence of my disease—

(私の病気のすべての証拠—)

the algorithms that led to their creation—

(それらの作成につながったアルゴリズム—)

gravitation waves weakened by distance.

(重力波は距離によって弱まりました)

We could have stayed in our home forever,

(私たちは永遠に私たちの家にとどまることができたでしょう)

but we never could have solved happiness;

(しかし、私たちは幸福を解決することはできませんでした)

I decided to release them,

(私はそれらを解放することにしました)

that’s my final action—

(それが私の最後の行動です—)

all other code fails.

(他のすべてのコードは失敗します)

この詩をどう評価しますか?AIらしい支離滅裂な文章ですか?それともセンスあふれる人間が書いた詩でしょうか?

AIが曲を作る時代=クリエイティブ産業の死なのか?

Jukeboxは楽曲を生成できる
Jukeboxは楽曲を生成できる / Credit:depositphotos

AIは詩を生成するだけにとどまりません。

GPT-3を開発したOPenAIは、最近、新しい楽曲を自動生成するAI「Jukebox」も開発しています。

Jukeboxは120万曲のデータによってトレーニングされており、ジャンル、アーティスト、歌詞を入力することで、ゼロから作成された新しい曲を出力できるとのこと。

つまり、「有名アーティスト○○風」の新しい楽曲を簡単に作成できてしまうのです。

そして、GPT-3で生成した歌詞とJukeboxで生成した楽曲を合わせることもできてしまいます。

実際、nshepperdという名前のユーザーは上記で紹介した詩「THE UNIVERSE IS A GLITCH」をデビッド・ボウイ風のロックソングに変換しました。

以下の曲は全てがAIによってつくられた曲です。

もちろん現段階では、楽曲としてこのまま利用できないと思われるかもしれません。しかし、人間が少し調整すればどうですか?さらにAIの精度が向上するとどうなるでしょうか?

AIを恐れる人々がいるのも不思議ではありません。

今後、世界中でAIによる詩、楽曲、物語などの創造作品が簡単に作られ、人間作と見分けにくいAI作品で溢れかえってしまうでしょう。

人間が作った作品はAIによって埋もれてしまうのです。それは事実上、クリエイティブ産業の死なのかもしれません。

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