AIによって書かれたブログが数万人を騙し、ブログランキング1位に(アメリカ)

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(右)Credit:depositphotos , (左)Credit:depositphotos
point
  • 最新を利用したブログ記事が投稿され、数万人が騙される
  • 1つの記事はあるニュースサイトのランキング1位を獲得
  • 今後、生成のブログやプログラム、楽譜が溢れるかもしれない

現代の技術は加速的に進歩しており、非営利組織「OpenAI」が開発した最新ツール「GPT-3」も最先端を行く技術の1つです。

米国カリフォルニア大学バークレー校でコンピュータ科学を研究しているリアム・ポーア氏は、GPT-3を利用してブログを作成し投稿し続けました。

その結果、ブログのほぼすべてをが書いたにもかかわらず、数万人が通常のブログだと騙されていました。しかもある記事はニュースサイトの第1位を獲得してしまったのです。

GPT-3とはどのようななのでしょうか?

文章やプログラムを生成する「GPT-3」

Credit:depositphotos

GPT-3は「Generative Pretrned Transformer」の頭文字をとった文章生成であり、人間が与えた少量の材料を元に文章を自動生成できます。

Openが2020年6月にGPT-3をインターネット経由で利用できるようにしたところ、人々の想像を超える作品が次々と生み出されており大きな反響を呼んでいます。

例えば、2,3行の文をGPT-3に読み込ませるだけで、その文を元にした数倍の文章が生成されます。

またGPT-3は「他の分野の言語」にも対応でき、簡単な指示を与えるだけでプログラムのソースコードや楽譜さえも生成可能。

まさに革命的なであるゆえに、起業家・科学者たちは口々に「ゾッとした」と述べています。

ちなみに、GPT-3は限定公開になっており、使用許可の申請が必要になっています。

にブログを書かせるとどうなるのか?

Credit:depositphotos

ポーア氏もGPT-3に関心を抱きました。バークレー校のコミュニティの大学院生がGPT-3のアクセス権を持っていたため、彼の協力のもと、ブログ記事を作成することにしたのです。

実験ではGPT-3にブログ記事のタイトルと紹介文を与えるだけでした。すぐに本文がGPT-3によって生成されるため、その文章を「Adolos」という名称で投稿していったのです。

こうした取り組みの中で、ポーア氏はより自然なブログ記事(多くの編集を必要としない)を生成するコツを発見し、次のように述べています。

「GPT-3はきれいな言語の生成はかなり得意ですが、論理的かつ合理的なことが苦手です」

そのため、彼は厳密な論理を必要としない(ポーア氏がそう考えている)人気ブログカテゴリーの「productivity and self-help(生産性と自己啓発)」を選んだとのこと。

がブログを書く時代の到来

によって書かれたブログは2週間毎日投稿されました。

そしてその中には「Hacker News」で第1位を獲得する記事さえあったのです。

「Adolos」の記事が1位に/Credit:liam porr

この記事は生成による不自然な言い回しやミスが含まれているにも関わらず、多くのコメントを集めました。

しかもコメントした数十人のうち、自動生成文章だと疑ったのはたったの3、4人だけだったのです。

2週間の投稿のあと、ポーア氏は「What I would do with GPT-3 if I had no ethics(倫理観が無ければGPT-3で何をするか)」という自筆記事を投稿し、この実験を終えました。

またポーア氏自身のブログでも実験の内容が告白され、「がブログライターに成りすませる」ことを証明したのです。

完全ではありませんが、がブログを書ける時代が到来したのかもしれません。仮に今後、GPT-3のようなが多くの人の手に渡るなら、によって書かれた平凡なブログコンテンツがネット上で氾濫する恐れがあります。

そしてそれはオンラインコンテンツの価値を大きく低下させるものとなるでしょう。

ポーア氏は、今後もGPT-3を使用した実験を行なっていく予定です。ブログと同じように、が生成したとは思えないプログラムや楽譜が生まれていくのかもしれません。

 

reference: technologyreview / written by ナゾロジー編集部
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