高温下でターゲットが人に変わる
実験では、高さ90センチ、幅60センチのボックスを2つ用意し、互いを透明のチューブで接続します。被験者として一方に人を、もう一方に犬を入れて、間のチューブに20匹のダニを投入します。
その後、匂いに基づいて宿主を探すダニが人と犬のどちらを好むかをテストしました。
ボックス・チューブ内の温度は、1回目23℃、2回目37℃に設定し、それぞれ20分間で行います。
その結果、37℃の高温下では、マダニが宿主の好みを犬から人に変えることが判明しました。
気温が23℃から37℃に上昇する中で、ダニが人間を宿主に選ぶ傾向は2.5倍高くなっています。
バックス氏は「これは温暖化によりRMSFの発症リスクが高まることを示しており、温暖な地域はこれまで以上に注意が必要」と指摘します。
現在、RMSFを媒介するマダニはアメリカ南部やメキシコに多く分布しますが、温暖化によりその生息ラインはさらに北上するでしょう。
その一方で、マダニがターゲットを犬から人に変える理由はわかっていません。
もしかしたら、37℃の高温下では、体毛の多い犬より、毛の少ない人肌がちょうどよくなるのかもしれません。
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