アポロ15号が1971年に上陸した地点のレーダー画像。この画像は地球上から撮影されている。
アポロ15号が1971年に上陸した地点のレーダー画像。この画像は地球上から撮影されている。 / Credit:NRAO/GBO/Raytheon/NSF/AUI
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「地球上から」探査機で近づいたかのような高解像度の月面写真を撮影することに成功

2021.02.07 Sunday
Successful Test Paves Way for New Planetary Radar https://public.nrao.edu/news/successful-test-new-planetary-radar/ This Insane Picture of The Moon Was Actually Taken From Earth https://www.sciencealert.com/this-picture-was-taken-from-earth-by-bouncing-radar-signals-off-the-moon

これまで宇宙の景色を高解像度で撮影するためには、宇宙望遠鏡を使うか、実際探査機で近くまで移動して撮影するしかありませんでした。

しかし、アメリカの国立電波天文台(NRAO)は、新しい電波望遠鏡システムによって地上から、これまでにない高解像度の宇宙画像の撮影に成功したと発表しました。

発表された画像は、アポロ15号の着陸地点となった月面で、地上からとは思えないほど詳細な地形が映し出されています。

地球から月面の詳細な画像を撮る

アポロ15号が1971年に上陸した地点のレーダー画像。この画像は地球上から撮影されている。
アポロ15号が1971年に上陸した地点のレーダー画像。この画像は地球上から撮影されている。 / Credit:NRAO/GBO/Raytheon/NSF/AUI

これは、1971年にアポロ15号の着陸地点となった面の画像です。

ここには月面の細かな地形の様子まで詳細に映し出されています。まるで道路のように蛇行したものが映っていますが、これはリルと呼ばれる溶岩が流れた跡の筋状の地形です。

現在は冷えて固まっている月ですが、古代の月は地下に溶岩が流れていました。

溶岩チューブ(溶岩洞)の成因
溶岩チューブ(溶岩洞)の成因 / Credit:JAXA,郭哲也 et al.(2017)

地下で溶岩流の通った場所は、のちに溶岩洞となます。その天井が崩落してできたのが、このリルという地形です。

画像のポイントはハドリー・リルと呼ばれています。

天井が崩れていない溶岩チューブは、月面基地にも利用できるのではないか、なんて言われています。

こうした月面の画像は、今までもいろいろ見た覚えのある人が多いでしょうが、それらはたいてい月面探査衛星が宇宙から撮影したものでした。

しかし、今回の画像の重要な点は、これが新しい電波望遠鏡システムによって、地球上から撮影されたものだということです。

撮影された月面のポイント。ここはアポロ15号の着陸地点でもある。
撮影された月面のポイント。ここはアポロ15号の着陸地点でもある。 / Credit: Sophia Dagnello, NRAO/GBO/Raytheon/AUI/NSF/USGS

これは研究者たちの長年の集大成といえる成果の画像なのです。

このかつてない地上からのレーダー撮影は、一体どのようにして達成されたのでしょうか?

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