光をあてるだけで浮き上がる「光駆動浮揚システム」を搭載したディスク
光をあてるだけで浮き上がる「光駆動浮揚システム」を搭載したディスク / Credit:Science Advances
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光をあてると浮遊する不思議ディスクが開発される 電池もプロペラもいらない!?

2021.02.17 Wednesday

Tiny, sunlight-powered aircraft could soar beyond airplanes’ reach https://www.sciencenews.org/article/tiny-sunlight-powered-aircraft-could-soar-beyond-airplanes-reach
Controlled levitation of nanostructured thin films for sun-powered near-space flight https://advances.sciencemag.org/content/7/7/eabe1127

SFが現実になり、人類初の光駆動浮揚システムが開発されました。

2月12日に『Science Advances』に掲載された論文によれば、光を浮力に変換して重力圏内を飛行するディスクが開発されたとのこと。

信じがたい話ですが、論文が掲載された雑誌は権威のある『Science』系列であり、信ぴょう性は確かなようです。

しかし、いったいどんな仕組みで光を浮力に変えているのでしょうか?

光をあてると浮遊する不思議ディスク

実際に下からあてられた光でディスクが飛んでいく様子
実際に下からあてられた光でディスクが飛んでいく様子 / Credit:Science Advances

現在、大気圏内で空を飛ぶために使われている仕組みは、飛行機のように動力を使うか、気球のように空気の比重を利用する方法がメインになっています。

しかし飛行機や気球の飛び方が上手くいくのは、空気の密度が比較的濃い成層圏(11km~50km)までであり、より高い位置にある中間圏(50km~80km)では通用しません。

中間圏の空気密度は、エンジンで空気を押し出す必要がある飛行機や、比重の差によって飛ぶ気球にとっては薄すぎます。

また、さらに上空を飛行する人工衛星にとっても、中間圏は飛行できない領域です。

遠心力で飛行する人工衛星にとって、中間圏の空気密度は、飛行の邪魔になる空気抵抗を発生させるのに十分な濃さだったのです。

そのため、人類にとって、中間圏は通過するだけの場所と考えられてきました。

しかし今回、アメリカ、ペンシルベニア大学の研究者たちにより、中間圏でも飛翔可能な駆動浮揚システムを備えたマイクロディスクが開発されました。

ディスクは薄い樹脂でできており、直径は6mm、厚さは800nm(0.0008mm)と非常に小型です。

もちろん、これだけでは光をあてても浮きません。

ですが研究者たちがフィルムの底面に「カーボンナノチューブ」を塗装すると、光エネルギーを吸収して飛行能力を獲得したのです。

しかし、なぜカーボンナノチューブの塗装で、ディスクは浮遊能力を得たのでしょうか?

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