実用サイズの人工光合成セル
実用サイズの人工光合成セル / Credit:豊田中央研究所
chemistry

太陽光で二酸化炭素を燃料に! トヨタが「人工光合成」の最高効率を更新

2021.04.24 Saturday

太陽光でCO2を資源に! 人工光合成の飛躍的進展 https://www.tytlabs.co.jp/cms/news/news-20210421-1932.html
A large-sized cell for solar-driven CO2 conversion with a solar-to-formate conversion efficiency of 7.2% https://www.cell.com/joule/fulltext/S2542-4351(21)00002-7?_returnURL=https%3A%2F%2Flinkinghub.elsevier.com%2Fretrieve%2Fpii%2FS2542435121000027%3Fshowall%3Dtrue

太陽光と二酸化炭素(CO2)から有機物をつくる「人工光合成」は、既に実現済みです。

ただし従来の人工光合成は効率と拡張の面で、実用レベルには至っていませんでした。

ところが最近、トヨタ自動車グループの豊田中央研究所は、実用サイズの人工光合成セルで世界最高の変換効率7.2%を実現しました。

これは植物の光合成を上回る効率とのこと。

研究の詳細は、3月17日付けの科学誌『Joule』に掲載されました。

人工光合成で太陽光とCO2からクリーンな燃料「ギ酸」をつくる

光合成の仕組み
光合成の仕組み / Credit:Daniel Mayer, wikipedia

光合成は、植物が「太陽光とCO2から酸素をつくる」反応として知られていますが、実はもう少し複雑です。

最初に光エネルギーを使って水から電子を引き抜き、酸素と水素イオンに変換。

その後、引き抜かれた電子は電流として葉緑体の中を巡り、CO2を用いて有機物である糖をつくるのです。

この糖は植物を成長させるための燃料またはエネルギーとなります。

つまり植物の光合成とは、太陽エネルギーとCO2を、「植物が利用できる燃料」に変換する反応でもあります。

同じように、人工光合成とは、太陽エネルギーとCO2を「人間が利用できる燃料」に変換する反応です。

人工光合成の概念図
人工光合成の概念図 / Credit:豊田中央研究所

ちなみに人工光合成では、糖ではなく「ギ酸」を生成。

クリーンエネルギーとして注目されているのは水素ですが、気体の水素は貯蔵が難しく、高コストというデメリットがあります。

そこで役立つのが液体のギ酸です。ギ酸からは水素を生成できるため、貯蔵が簡単な液体燃料として幅広く役立つのです。

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