2種類の3次元磁場によって部屋全体のワイヤレス給電を可能に!
今回チームが採用したのは、「マルチモード準静空洞共振器」と呼ばれる送電器構造です。
コンデンサを壁の空洞に設置することで、部屋の中に三次元の磁場を生成することが可能。
複数の磁場パターンを利用するため、広い範囲に大容量の電力を供給できます。
また今回のシステムでは、部屋の隅々まで安定した送電を可能にするため、2種類の3次元磁場を利用しています。
これは、磁場が円形に伝わりやすく、四角い部屋ではどうしても死角できてしまうことが理由です。
部屋の中央の円を描くような磁場と、部屋の角に作られる磁場によって空間すべてをカバーしているのです。
また、笹谷氏はこの新しい給電システムの実装について、次のように語っています。
「新築時に導入するのが最も簡単ですが、後付けも可能だと思います」
現在、システムの導入テストは進んでおり、今年の秋には、新築・後付けの両パターンで導入される予定です。
研究チームによると、数年先には商業施設や住宅に導入される可能性があるとのこと。
部屋からあらゆるコードを排除し、すっきりさせる「オールワイヤレス給電」が、住宅の標準装備となる日も近いかもしれませんね。