オールワイヤレス給電
オールワイヤレス給電 / Credit:笹谷 拓也(東京大学)_Room-scale magnetoquasistatic wireless power transfer using a cavity-based multimode resonator(2021)
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3次元磁場で室内すべての家電を「ワイヤレス給電」する部屋が実現! (2/2)

2021.09.04 Saturday

前ページ部屋のどこにいても電子機器を充電できる

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2種類の3次元磁場によって部屋全体のワイヤレス給電を可能に!

壁の空洞に設置されるコンデンサ
壁の空洞に設置されるコンデンサ / Credit:笹谷 拓也(東京大学)_Room-scale magnetoquasistatic wireless power transfer using a cavity-based multimode resonator(2021)

今回チームが採用したのは、「マルチモード準静空洞共振器」と呼ばれる送電器構造です。

コンデンサを壁の空洞に設置することで、部屋の中に三次元の磁場を生成することが可能。

複数の磁場パターンを利用するため、広い範囲に大容量の電力を供給できます。

(左)準静空洞共振器, (右)マルチモード準静空洞共振器:複数の磁場パターンにより大容量かつ効率的な電力供給が可能
(左)準静空洞共振器, (右)マルチモード準静空洞共振器:複数の磁場パターンにより大容量かつ効率的な電力供給が可能 / Credit:笹谷 拓也(東京大学)_Room-scale magnetoquasistatic wireless power transfer using a cavity-based multimode resonator(2021)

また今回のシステムでは、部屋の隅々まで安定した送電を可能にするため、2種類の3次元磁場を利用しています。

これは、磁場が円形に伝わりやすく、四角い部屋ではどうしても死角できてしまうことが理由です。

2種類の磁場によって死角を無くす
2種類の磁場によって死角を無くす / Credit:笹谷 拓也(東京大学)_Room-scale magnetoquasistatic wireless power transfer using a cavity-based multimode resonator(2021)

部屋の中央の円を描くような磁場と、部屋の角に作られる磁場によって空間すべてをカバーしているのです。

また、笹谷氏はこの新しい給電システムの実装について、次のように語っています。

「新築時に導入するのが最も簡単ですが、後付けも可能だと思います」

現在、システムの導入テストは進んでおり、今年の秋には、新築・後付けの両パターンで導入される予定です。

研究チームによると、数年先には商業施設や住宅に導入される可能性があるとのこと。

部屋からあらゆるコードを排除し、すっきりさせる「オールワイヤレス給電」が、住宅の標準装備となる日も近いかもしれませんね。

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