腸で生産された免疫細胞が乳腺に移動して「母乳中の抗体」を作っていると判明!
腸で生産された免疫細胞が乳腺に移動して「母乳中の抗体」を作っていると判明! / Credit:Canva . ナゾロジー編集部
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腸と乳腺はつながっている! 腸の免疫細胞が「母乳の抗体」を作っていた

2021.09.13 Monday

腸管と乳腺はつながっている! ~腸内微生物が母乳中の抗体産生を促す~ https://www.tohoku.ac.jp/japanese/2021/09/press20210908-01.html
The gut microbiota induces Peyer’s-patch-dependent secretion of maternal IgA into milk https://www.cell.com/cell-reports/fulltext/S2211-1247(21)01098-6

母乳に抗体が含まれる仕組みが解明されました。

9月7日に日本の東北大学の研究者たちにより『Cell Reports』に掲載された論文によれば、腸で生産された免疫細胞が乳腺に移動し、母乳に含まれる抗体(IgA)を生産していたとのこと。

母乳には赤ちゃんの健康を助ける抗体が含まれていることが古くから知られていましたが、本研究によってその出所が世界ではじめて、明らかになりました

また研究では、特定の腸内細菌2種(後述)が母乳に含まれる抗体の生産に重要な役割を果たしていることも示されました。

腸内細菌と母乳に含まれる抗体との間に、いったいどんな関係があるのでしょうか?

 

母乳の抗体を作る細胞は乳房以外の場所で作られている

母乳の抗体を作る細胞は乳房以外の場所で作られている
母乳の抗体を作る細胞は乳房以外の場所で作られている / Credit:Canva . ナゾロジー編集部

母乳に含まれる抗体は、赤ちゃんの健康に欠かせない重要な免疫物質です。

特に初乳に含まれる抗体は、赤ちゃんを外部の病原体から守る直接的な防御手段となっています。

しかし近年に至るまで、母乳に含まれる抗体(IgA)が、いつどのようにして作られているかは、不明なままでした。

そこで今回、東北大学の研究者たちはマウスの母乳に含まれる抗体(IgA)の供給源の特定に挑みました。

まず最初の候補となったのは、乳房の免疫系(リンパ節)でした。

母乳に含まれる抗体(IgA)は、現地(乳房)で生産された免疫細胞が作っていると考えるのが自然だったからです。

早速、研究者たちはマウスの遺伝子を操作して、生まれつき乳房のリンパ節を持たないマウスを作成して母乳を調べました。

すると意外にも、母乳には抗体(IgA)がちゃんと含まれていると判明。

この結果は、母乳の抗体を生産する細胞は現地(乳房で)うまれたのではなく、体の別の場所から来たことを示します。

ではいったいどこが作っていたのでしょうか?

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