シャークストップ・ウェットスーツ
シャークストップ・ウェットスーツ / Credit:Shark Stop
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”鋼の約15倍”の新素材で人喰いザメから身を守るウェットスーツを開発

2022.01.27 Thursday

一部の海域では、サメの存在がサーファーたちを苦しめています。

実際、オーストラリア・ニューサウスウェールズ州の北海岸では、サーファーがサメに襲われて死亡した例がいくつもあります。

この問題を解決すべく、オーストラリアの企業「シャークストップ」は最近、鋼の15倍の強度をもつ素材を利用したウェットスーツを発表しました。

新素材の研究は、数年前からオーストラリア・フリンダース大学(Flinders University)に所属するサメ研究者チャーリー・フーヴァニアーズ氏ら研究チームによって行われてきました。

研究の詳細は、2019年11月18日付の科学誌『PLOS ONE』に掲載されています。

Shark Stop wetsuit designed to thwart great whites https://newatlas.com/outdoors/shark-stop-wetsuit/ Shark Stop Wetsuits https://www.kickstarter.com/projects/sharkstop/shark-stop-wetsuits?
Effectiveness of novel fabrics to resist punctures and lacerations from white shark (Carcharodon carcharias): Implications to reduce injuries from shark bites https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0224432

ホオジロザメに負けない新素材を開発

ホオジロザメ
ホオジロザメ / Credit:Fallows C, Gallagher AJ, Hammerschlag N(Wikipedia)_ホホジロザメ

ホオジロザメは人を襲う場合があるサメであり、映画「ジョーズ」のモデルになるほど、恐怖のイメージが定着しています。

もちろん、ホオジロザメによる実際の被害も起きています。

特にオーストラリアでは、ホオジロザメに襲われて手足を失ったり死亡したりする事件が頻発しているようです。

そしてそれらの主な死因は、咬傷による「失血死」でした。

では、サーファーたちをこの問題や不安から解放する方法はあるのでしょうか?

シャークストップ社の創設者であるヘイドン・バーフォード氏は、「サメの強力なアゴと鋭い歯に負けない頑丈なウェットスーツがあればよい」と考えました。

そこで、フリンダース大学のサメ研究者であるチャーリー・フーヴァニアーズ氏らと共に、4年間、ホオジロザメの咬傷を軽減する新素材を研究してきました。

鋼の15倍の比強度をもつ素材を利用
鋼の15倍の比強度をもつ素材を利用 / Credit:Shark Stop

その結果、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)ナノファイバーをネオプレン(クロロプレンゴム)に組み込んだウェットスーツ素材の開発に成功。

ネオプレンは従来のウェットスーツに使用されている素材で、耐寒性・伸縮性・撥水性に優れています。

そこに鋼の8~15倍の比強度をもつ超高分子量ポリエチレン(通常2~30万の分子量を100~700万まで高めたポリエチレン)を組み込んだのです。

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