イギリスの核融合実験装置JETで、最大エネルギー量を記録!
イギリスの核融合実験装置JETで、最大エネルギー量を記録! / Credit: Nature – Christopher Roux (CEA-IRFM)/EUROfusion
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Fusion experiment smashes record for generating energy, takes us a step closer to a new source of power https://www.livescience.com/jet-fusion-experiment-smashes-energy-record Nuclear-fusion reactor smashes energy record https://www.nature.com/articles/d41586-022-00391-1

2022.02.10 Thursday

”エネルギー発生量の世界記録を樹立”した「核融合炉の稼働中の内部映像」が公開される!

核融合の実験プロジェクトで、世界記録が樹立されました。

欧州トーラス共同研究施設(JET・英)はこのほど、非常に高温のプラズマを発生させ、59メガジュールという記録的なエネルギー放出に成功したと発表。

これは、TNT爆弾14kgの爆発と同程度のエネルギー量であり、1997年に記録された22メガジュールを大きく上回る結果となりました。

また驚くことに、装置内に設置されたカメラで、核融合実際中の炉内の様子も撮影・公開されています。

世界初の核融合炉は「地上の太陽」となる

JET(欧州トーラス共同研究施設)の核融合実験装置
JET(欧州トーラス共同研究施設)の核融合実験装置 / Credit: Nature – Christopher Roux (CEA-IRFM)/EUROfusion

核融合は、星の中心で起こる反応と同じで、化石燃料よりもはるかに膨大なエネルギーを生み出します。

現在進行中のイーター・プロジェクト(ITER、国際熱核融合実験炉)の専門家によると、パイナップル大の水素原子の集まりから、およそ1万トンの石炭に匹敵するエネルギーを提供できるという。

JETによる今回の実験は、”世界初の核融合炉”を目指すITERへの道筋をつける目的があります。

1983年に運転を開始したJETは、水素の同位体である重水素トリチウム(三重水素)を燃料としています。

通常の水素原子は中性子を持っていませんが、重水素原子では1個、トリチウム原子は2個の中性子を持っています。

水素、重水素、三重水素のモデル
水素、重水素、三重水素のモデル / Credit:Wikipedia

現在、重水素-トリチウムの燃料で稼働する施設は世界で唯一であり、ITERも重水素-トリチウム燃料を使用する予定です。

これに対し、原子力発電所は、ウランやプルトニウムなど「重い」原子を核分裂させて、エネルギーに変えています。

水素やヘリウムなど「軽い」原子による核融合は、太陽や星の中心で起こるものと同じであり、核融合炉はまさに”地上の太陽”と呼べるのです。

フランス南部カダラッシュに建設中のITER
フランス南部カダラッシュに建設中のITER / Credit: ITER

これまでの研究で、核融合に利用できるすべての燃料の中で、重水素とトリチウムの組み合わせが最も簡単に、最も低い温度で核融合できると分かっています。

重水素-トリチウムだけが、現実に達成可能な条件下で、余剰電力を生み出すのに十分なエネルギーを放出すると予測されているのです。

次ページ難関を乗り越え、新記録を達成!

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