微弱な電気刺激が付与される箸型デバイス
微弱な電気刺激が付与される箸型デバイス / Credit:明治大学
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~減塩食をよりおいしく、「健康」課題の解決に向けた大きな一歩~ 世界初※1!電気刺激の活用で 塩味が約1.5倍に増強される効果を確認 —「味を調整できる食器」の開発につながる新技術— https://www.meiji.ac.jp/koho/press/6t5h7p00003fh8kv.html

2022.04.16 Saturday

健康を気にせず食事する! 塩味を1.5倍増強する「電気で味を調整する箸デバイス」

病院食は美味しくないという話をよく聞きますが、健康に気を使った減塩食は薄味で物足りない料理になりがちです。

恒久的に健康を損なった場合、3食ずっと減塩食を続けなければいけないということにもなるでしょう。

しかし、食事は人間にとって生きる楽しみの1つであり、それを失うことは生活の質の低下に繋がります。

明治大学の宮下研究室とキリンホールディングス株式会社は共同で、そんな減塩食の味わいを増強させる箸型デバイスを開発

減塩食の塩味を約1.5倍増強させることに成功したといいます。

健康をそこなう調味料は使わずに、食器の機能で味を調整できる時代が間もなく来るかもしれません。

この研究は、第26回 一般社団法人情報処理学会シンポジウム「インタラクション2022」にて、2022年3月2日に発表されています。

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日本人を取り巻く塩分とり過ぎ問題

塩分の高いものはおいしいという問題
塩分の高いものはおいしいという問題 / Credit:canva

私たちは生きるために食事を必要としますが、現代では多くの場合食事は娯楽の1つになっています。

私たちはもはや栄養摂取とは無関係に、ただ味を楽しむためだけにさまざまな食品を摂取します。

そのため特定の栄養素が過多になり、健康を害してしまうことも多くなってきました。

WHO(世界保健機関)が掲げる食塩摂取の基準値は、1日当たり5.0g未満(2012年、WHOガイドライン)とされています。

ところが、日本人の1日当たりの食塩摂取量は、成人男性で10.9g、成人女性で9.3gという調査結果が示されており、日本のほとんどの人はWHOが示す基準値のおよそ2倍も塩分をとっているのです。

たしかに醤油もお味噌も塩分の高い食事です。日本には塩分濃度の高い美味しい食事が溢れています。

塩分が気になるけど毎週ラーメンを食べてしまうという人も多いでしょう。

けれど塩分のとり過ぎは、高血圧・慢性腎臓病をはじめとした生活習慣病の発症や重症化の原因となるため、これは日本の食環境を取り巻く大きな社会問題とも言えるのです。

WHOの基準はいささか厳しすぎるため、厚生労働省はもう少し緩和した基準を設けています。それでも生活習慣病予防の為には、現在より食塩摂取量を20%以上低減する必要があると示しています。

しかし、塩分を控えた食事は「味が薄く」、どうしても長続きさせることができません。

健康を害した後に、医師の指導で減塩食をとらざるを得ない状況となった場合、生活の質さえ低下した気分になっていくでしょう。

そこで待ち望まれるのが、塩を使うことなく、味を強化する新しい技術の登場です。

今回報告された、明治大学とキリンの共同開発による「塩味を増強する箸デバイス」は、そうした未来の食事をサポートするものなのです。

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