遠隔操作で脳内の血栓を除去する
遠隔操作で脳内の血栓を除去する / Credit:Xuanhe Zhao(MIT)_Joystick-operated robot could help surgeons treat stroke remotely(2022)
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ジョイスティックで脳梗塞を「遠隔手術」できる技術が登場!

2022.04.18 Monday

Joystick-operated robot could help surgeons treat stroke remotely https://news.mit.edu/2022/robot-stroke-treatment-remote-0413
Telerobotic neurovascular interventions with magnetic manipulation https://www.science.org/doi/10.1126/scirobotics.abg9907

脳の血管が詰まる「脳梗塞」を発症した場合、患者はできるだけ早く専門家の処置を受ける必要があります。

しかし、手術できる外科医がすぐ近くの病院にいるとは限りません。

そこで、米マサチューセッツ工科大学(MIT)機械工学科のション・ジャオ氏ら研究チームは、脳梗塞患者を遠隔操作で手術できるデバイスを開発しました。

磁力を利用して血管内のワイヤーを操作することで、離れた場所からでも迅速な手術が可能になる、とのことです。

研究の詳細は、2022年4月13日付の科学誌『Science Robotics』に掲載されました。

脳梗塞患者を救うには「迅速な処置」が必須!

脳血管の詰まりには、迅速な処置が必要
脳血管の詰まりには、迅速な処置が必要 / Credit:Kim Yoonho(YouTube)_[Telerobotic Stroke Intervention] Summary Video(2022)
梗塞の患者を救うためには、迅速に血管の詰まりを解消しなければいけません。

近年では、患者への負担を減らすために「血管内治療」が選択されます。

皮膚を切ったり頭蓋骨を開いたりせずに、足や手首の血管からカテーテルやワイヤーを挿入するのです。

一般的には、X線撮影をしながら、ワイヤーで血栓を物理的に崩したり、薬剤投与で溶かしたりします。

ワイヤーをねじって操作するのが一般的
ワイヤーをねじって操作するのが一般的 / Credit:Kim Yoonho(YouTube)_[Telerobotic Stroke Intervention] Summary Video(2022)
しかし、この手術ができるのは、特別な訓練を受けた外科医だけです。

外科医はワイヤーを細かくねじりながら、目的の患部まで挿入していきますが、血管を傷つけないよう慎重に操作しなければなりません。

習得までに何年ものトレーニングが必要であり、熟練した外科医は貴重な存在だと言えます。

そのため、遠隔地で脳梗塞を発症した患者は、手術可能な外科医がいる病院に搬送されるのに、どうしても時間がかかってしまいます。

これでは脳へのダメージを最小限に抑えることができません。

そこで研究チームは、脳梗塞患者のための「遠隔操作できる治療法」を開発することにしました。

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