ARを使った戦闘訓練
ARを使った戦闘訓練 / Credit:4GD
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イギリスの空挺部隊が「AR(拡張現実)」を実戦訓練に採用

2022.06.05 Sunday

近年、AR(拡張現実)の技術がますます向上しており、多くの分野で利用されています。

そしてこの度、イギリス陸軍・空挺部隊の戦闘訓練にも採用されました。

イギリスの防衛企業「4GD」が開発したAR訓練用ロボット「SimStriker」10台を用いて、イギリス陸軍が訓練しているのです。

SimStrikerは一見ただのマネキンですが、ARによって「敵の兵士」のように振る舞います。

4GD to Deliver SimStriker Smart Urban Warfare Training Targets to the British Army https://finabel.org/4gd-to-deliver-simstriker-smart-urban-warfare-training-targets-to-the-british-army/ Humanoid robot soldiers that ‘come alive’ in virtual reality and can talk and shoot guns will be used to train British Army paratroopers for combat https://www.dailymail.co.uk/sciencetech/article-10870421/Humanoid-robot-soldiers-used-train-British-Army-paratroopers.html

ARを利用した戦闘訓練が始まる

AR(拡張現実)とは、現実世界にデジタル情報を付加する技術です。

これまでは主に、ゲームなどのレクリエーションに採用されてきました。

ポケモンGO」はその有名な例だと言えますね。

しかし最近では、単なるレクリエーションにとどまらず、極めて真剣な訓練にもARが利用されるようになってきました。

AR訓練用ロボット「SimStriker」
AR訓練用ロボット「SimStriker」 / Credit:4GD

4GD社が開発した訓練用ロボット「SimStriker」は、現実世界ではただの「人型のターゲット」です。

しかし、ARと組み合わせることで、まるで本物の敵兵のように振る舞います。

実際、ゴーグルを通して見るとSimStrikerは兵士の見た目をしています。

ゴーグルを通して見た「SimStriker」は敵兵に見える
ゴーグルを通して見た「SimStriker」は敵兵に見える / Credit:4GD

そして異国の言葉で叫びながら、訓練用のエアガンで攻撃してくるのです。

しかもこのロボット、訓練部隊の動きや光、音を拾うことが可能。

あらゆる方向に対応しているので、少しの情報に反応し、位置を特定して撃ってきます。

訓練兵たちは、本物の敵兵と対峙したような緊張感を味わうことでしょう。

さらにAR訓練用施設を利用するなら、実際の都市や建物を再現した仮想戦場を作り出すことも可能です。

ARを利用してリアルな戦場を再現できる
ARを利用してリアルな戦場を再現できる / Credit:4GD

戦場の音や匂いまで再現できるため、訓練兵たちは、臨場感あふれる戦場さながらの雰囲気を体感するのです。

現在、このAR戦闘訓練はイギリスの空挺部隊に採用されています。

4GD社は「この没入型戦闘訓練が、現実の戦争におけるパフォーマンスを高めるだろう」と述べています。

訓練用に開発された技術ではありますが、CoD(コールオブデューティ)などのゲームプレイヤーや、サバゲーを愛好する人たちにとって、これは非常に興味深いアトラクションとなるでしょう。

近い将来、とてもリアルなサバゲーが楽しめる体感型のアトラクションが登場するかもしれません。

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