世界最大級の風力発電ブレードを開発!受風面積は東京ドームレベル!
風の強さは、高高度であればあるほど強まります。
また風車のブレードも大きければ大きいほど、多くの風を捉えられます。
つまり風力発電機の出力を高めるには、風力発電機とブレードを大きくすればよいのです。
この点、シーメンスガメサ社は巨大な風力発電機を開発し続けてきました。
![シーメンスガメサ社が開発してきた大型風力発電機](https://nazology.net/wp-content/uploads/2022/06/siemens-gamesa-offshore-wind-portfolio-direct-drive-history-picture-900x389.png)
実際、2012年にはローター直径154mで出力6MWの「WT-6.0-154」を開発。
2018年には、ローター直径167mで出力8MWの「SG 8.0-167 DD」。
さらに2020年には、ローター直径200mで出力11MWの「SG 11.0-200 DD」を開発済みです。
そして同社の最新機は、さらなる巨大化を目指しています。
![ローター直径236mの超大型発電機を開発](https://nazology.net/wp-content/uploads/2022/06/14-236-dd-turbine-graphic-en.jpg)
現在開発中の最新機「SG14-236DD」は、ローター直径236mで出力14MWの過去最大級の超大型風力発電機です。
年間総発電量はSG 11.0-200 DDと比べて30%以上向上しており、サイズも一般的な風力発電機の2倍以上になります。
しかし当然、風力発電機は大きくなればなるほど、強風時に不安定になったり、接合部が脆くなったりします。
またメンテナンスには高い費用と労力が必要になるはずです。
この点をシーメンスガメサ社は、長年のノウハウから適切に対処していると述べています。
例えば、強風時には徐々に出力を落とすことで、エネルギーを供給しつつも、自己防衛できます。
![大型発電機のデメリットになるメンテナンスコストや安定性にもアプローチ済み](https://nazology.net/wp-content/uploads/2022/06/14-236-dd-gallery-1.jpg)
また115mのブレードは、接合部のないガラス繊維強化エポキシ樹脂によって単一部品のブレードとして成形されます。
これにより超大型でも強度と信頼性を保持し、摩耗する部品を極力減らすことでメンテナンスコストも削減できるよう設計されているという
ちなみにシーメンスガメサ社のTwitterでは、115mに及ぶブレードを製造する型が公開されています。
We have now started production of the first B115 blades in Aalborg, Denmark. The 115-meter long blade is available as standard IntegralBlade and will also be produced using our unique RecyclableBlade technology. #Leadingtheoffshorerevolution#Strongwindsofchange pic.twitter.com/tB8ss5Jb0n
— Siemens Gamesa (@SiemensGamesa) March 31, 2022
映像だけを見ると、永遠に続く通路のようにさえ思えますね。これにより接合部のない巨大ブレードを製造するようです。
こうして製造された巨大ブレードによって得られる受風面積は4万3500平方メートルに上ります。
東京ドームの面積が4万6755平方メートルであることを考えると、その大きさが際立ちますね。
![東京ドームの面積とほぼ同じ受風面積](https://nazology.net/wp-content/uploads/2022/06/Tokyo_dome-769x600.jpg)
シーメンスガメサ社によると、2024年には量産が可能になる予定です。
計画通りに進むならば、あと2年ほどで、超大型風力発電機が世界のあちこちで建造開始されるかもしれません。
クリーンなシステムとはいえ、風力発電は騒音による公害問題を起こすため、居住地近くにこのような巨大な風力発電が建設されることはないでしょうが、一度根本から見上げてみたい気はします。