古代ローマのコインに1054年の「超新星爆発」の記録を発見?
古代ローマのコインに1054年の「超新星爆発」の記録を発見? / Credit: Universe Today – Do Ancient Coins Record the Supernova of 1054?(2022)
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ローマ帝国のコインに有名な超新星「SN 1054」の記録を発見か? (2/2)

2022.06.28 Tuesday

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当時の西洋で天文に関わるのは「命取り」だった

西洋は言うまでもなく、キリスト教です。

当時のローマ教会は、宗教と天文学を密接な関係として捉え、天空(宇宙)を”完璧で犯すことのできない存在”として絶対視していました。

教会側が、地球は宇宙の中心で静止し、その周りを太陽を含む天体が回っているとする「天動説」を唱えたのは有名な話です。

少し後の時代になって、天動説を信奉する教会に対し、「地動説」を主張したジョルダーノ=ブルーノ(1548〜1600)は、有罪判決を下され、火あぶりの刑に処されました。

同じく、地動説を唱えたガリレオ=ガリレイ(1564〜1642)も有罪となり、禁固刑を言い渡されたのはご存知でしょう。

ローマの異端審問所で異端審問を受けるガリレオ
ローマの異端審問所で異端審問を受けるガリレオ / Credit: ja.wikipedia

このように、天文学と宗教が堅く結びついたキリスト教圏で、天空の変化(ここでは超新爆発)を指摘するのは、命に関わる危険な行為だったのです。

そんな中で、下手に超新星について言及し、教会の神学的な教義に疑問を呈しては、破門かあるいは死罪になりかねません。

西洋の人々が超新星の記録を残さなかったのは、こうした社会的状況が背景にあったと考えられます。

しかし、今回の研究が示唆するように、勇気ある何者かが、世の中に流通するコインの中に、さりげなく超新星の記録を残した可能性があるのです。

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