緑のある空間と同じくらい水のある青の空間は人々のメンタルヘルスに重要な可能性がある
緑のある空間と同じくらい水のある青の空間は人々のメンタルヘルスに重要な可能性がある / Credit:depositphotos
psychology
LIVING NEAR ONE NEGLECTED PIECE OF URBAN EYE CANDY CAN GREATLY BOOST MENTAL HEALTH https://www.inverse.com/mind-body/blue-spaces
A population-based retrospective study of the modifying effect of urban blue space on the impact of socioeconomic deprivation on mental health, 2009–2018 https://www.nature.com/articles/s41598-022-17089-z

2022.08.09 Tuesday

「水のある空間」は都市生活を送る人々の心に「癒し」を与えられる

公園や並木道などの緑地は、都市部で生活する人たちに「安らぎ感」や「さわやかさ」を与えることで知られています。

しかし最近の研究により、人々のメンタルヘルスを向上させるのは、それら「緑の空間」だけではないと分かりました。

イギリスのグラスゴー・カレドニアン大学(Glasgow Caledonian University)健康生命科学部に所属するミハイル・ジョウルジウ氏ら研究チームは、水路や運河、湖などの「青の空間」が、都市部の人々のメンタルヘルスに良い効果をもたらすと報告したのです。

都市部に水路や池を導入することが今後の都市計画には必要なのかもしれません。

研究の詳細は、2022年7月29日付の科学誌『Scientific Reports』に掲載されました。

運河の再生に伴い、人々のメンタルヘルスに与える影響が調査される

緑の空間は都市部で生活する人々のメンタルヘルスに良い影響を与える
緑の空間は都市部で生活する人々のメンタルヘルスに良い影響を与える / Credit:Canva

現在の都市開発では、緑地を含んだ計画が一般的です。

これは環境問題だけにアプローチしたものではありません。

人々のメンタルヘルスは、ビルや機械だけの無機質な空間よりも、公園や並木道などの植物が存在する空間の方が、良い状態を保てるのです。

緑の空間が私たちに癒しを与えることは、多くの専門家だけでなく、私たち自身が実感していることでしょう。

では、他にも私たちのメンタルヘルスを向上させてくれる要素はあるのでしょうか?

ジョウルジウ氏ら研究チームは、10年間にわたって「のある空間」がもたらす影響を研究しています。

この研究は、イギリスの都市グラスゴー周辺の環境とそこに住む合計13万2788人の人々を対象にして解析されたものです。

グラスゴー内のフォース・アンド・クライド運河。閉鎖された状態が続いていた
グラスゴー内のフォース・アンド・クライド運河。閉鎖された状態が続いていた / Credit:Dave souza(Wikipedia)_Forth and Clyde Canal

1963年、250年の歴史をもつ「フォース・アンド・クライド運河」が閉鎖され、廃棄物でいっぱいのゴミ捨て場へと変わってしまいました。

この運河はグラスゴーの近くを流れていたため、閉鎖と同時にグラスゴーを含む運河沿いの地域は大きな影響を受けたようです。

ところが2000年には運河の再生が開始。2006年にはレクリエーションスペースとして再オープンすることになったのだとか。

つまりグラスゴー周辺では運河が復活し、「水のない空間」から「水のある空間」へと大きく変化したわけです。

この点に着目した研究チームは、グラスゴーで生活する人々のメンタルヘルスに、水のある空間がどのような影響をもたらすか調査することにしました。

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