本物のように神経伝達物質を送受信できる新型「人工ニューロン」が開発!
![人工ニューロンの画像。非常に薄くて軽い](https://nazology.net/wp-content/uploads/2022/08/d3af1559cc0aedaf6ce8f0c604ca85a7-900x506.jpg)
脳科学の進歩により、脳と機械を直接つなぐ「ブレイン・マシン・インターフェース(BMI)」が実現しつつあります。
ブレイン・マシン・インターフェースは脳の電気活動を収集して機械に伝達することで思考を直接、機械の動きに反映することが可能となります。
たとえば以前に行われた研究では、脳波や脳に埋め込まれたチップから脳の電気活動を収集し、脳波だけで遊べるゲームや体が麻痺した人々が脳内チップを介してロボットアームで食事が可能になったことが報告されています。
しかし現実のニューロンは電気信号だけでなく神経伝達物質を用いて情報を伝達しています。
![情報の伝達方法が変われば伝わる情報の内容も全く同じではいられません。特に重要なのが出力部分の違いです。本物のニューロンでは最終的な出力が化学物質によって行われますがブレイン・マシン・インターフェイスでは電気で行われます。](https://nazology.net/wp-content/uploads/2022/08/8b94988b92491528caaf6d95d83e904f-900x506.jpg)
そのため電気信号に偏重した現在のシステムでは、ニューロンの送受信する情報の解釈を誤る可能性がありました。
そこで今回、南京医科大学の研究者たちは本物のニューロンのように、神経伝達物質の送受信の機能を加えた新たな人工ニューロンを開発することにしました。
研究にかかわったBenhui Hu氏は「脳の母国語は化学言語ですが、現在のブレイン・マシン・インターフェースは全て電気言語を使用している。そこで今回私たちは、本物のニューロンのコミュニケーション方法を再現する人工ニューロンを考案しました」と述べています。
しかし本物のニューロンのような仕組みを持つには、①神経伝達物質の検知、②シナプスの可逆性、③神経伝達物質の分泌という3つの過程を経なければなりません。
(※本物に似たニューロンを作るには、くっついたり離れたりする(可逆性のある)シナプスを作る機能も必要です)
研究者たちはいったいどんな方法で3つの過程を盛り込んだのでしょうか?