海に浮かぶ新しい風力発電機
海に浮かぶ新しい風力発電機 / Credit:World Wide Wind
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海原に生える樹木のような新型風力発電機 (2/2)

2022.09.04 Sunday

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タービンの逆回転を利用した「海に浮かぶ風力発電機」

新しく考案された「浮体式VAWT」
新しく考案された「浮体式VAWT」 / Credit:World Wide Wind

新しく考案された浮体式VAWTは、枝が伸びた樹木のような見た目をしています。

しかし、この枝が風を受けるためのブレードであり、上部と下部の2重構造になっています。

片方のタービンがロータ(回転する部分)に繋がっており、もう片方のタービンはステータ(固定・静止部分)に繋がっています。

そして互いに逆回転するよう設計されています。

上部と下部のタービンが互いに逆回転する
上部と下部のタービンが互いに逆回転する / Credit:World Wide Wind

これにより、ステータに対するロータの相対回転速度が2倍になり、発電効率が高まるというのです。

またワールド・ワイド・ウインド社によると、木の枝のように斜め上に伸びたブレードデザインは、タービンによる後流効果(風力タービンの影響を受けて風が弱まったり変化したりすること)を低減するようです。

そのおかげで、1つ1つの発電機を近づけて密集させられます。

まるで林や森のような間隔でVAWTを設置し、効率アップを狙えます。

海原に生える樹木のように密集させられる
海原に生える樹木のように密集させられる / Credit:World Wide Wind

さらに新しいVAWTは傾いても問題なく作動するため、ある程度の突風や荒波にも耐えられるようです。

ちなみに現在、世界最大の風力タービンは、MingYang Smart Energy社が開発しており、高さ242mで16MWの発電容量をもつと言われています。

一方ワールド・ワイド・ウインド社は「2026年までに容量3MWの小型モデルを稼働させ、2029年までには400mの40MWモデルを開発できる」と主張。

しかし現段階では、小型モデルでさえ実現可能だという証拠が提出されていません。

「全長400mのビッグモデルが海に浮かぶなんて到底信じられない」という人がほとんどでしょう。

確かに斬新で興味深いアイデアですが、「期待できるかどうか」という判断ですら、あと数年は待った方がよさそうです。

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