「ポン菓子」の翼をもつ食べられるドローン
研究チームは、ポンせんべい(ライスケーキとも呼ばれる)を使ってドローンの翼を作っています。
ポンせんべいとは、米を膨らませた「ポン菓子」をせんべいのように押し固めたものです。
![翼の材料は「ポンせんべい」](https://nazology.net/wp-content/uploads/2022/11/imageonline-extractgif-34041-1.gif)
一般的には軽くてサクサクとしたお菓子ですが、ギュッと押し固めることで効率よくカロリーを摂取できます。
人間のエネルギー源となる炭水化物が多く含まれており、100gあたり387kcalあるのだとか。
そしてこのポンせんべいの特性は、ドローンの翼の素材として使用されている「発砲ポリプロピレン」に似ています。
ポンせんべいは発砲ポリプロピレンのように丈夫で軽量です。
またレーザーでカットしやすく値段もお手頃なので、ドローンの翼の代用品にはぴったりなのです。
![六角形にカットし一枚の翼に成形](https://nazology.net/wp-content/uploads/2022/11/becafd4f-5788-4772-b096-e241d3ba5b49.jpg)
まずチームは、結合させやすくするため、丸いポンせんべいを六角形にカット。
ゼラチンを接着剤にして平らで広い「食べられる翼」に成形しました。
乾燥させた後はプラスチックシートとテープで梱包するため、湿気や汚れでダメになる心配もありません。
そしてこの翼に他の食べられない部品を追加することで、秒速10m(時速36km)で飛行する「食べられるドローン」が完成します。
![「食べられる翼」をもつドローン](https://nazology.net/wp-content/uploads/2022/11/FireShot-Capture-945-a-drone-airplane-sits-on-a-lab-bench-it-has-a-normal-propeller-and-mo_-spectrum.ieee_.org_-900x600.jpg)
翼が食料になるため帰還することはありませんが、「孤立した被災者に食料を届ける」という目的は十分に達成されるでしょう。
研究チームは今後、食用油や調味料を加えることで、よりカロリーが高く美味しい翼へと改良していく予定です。
食べられるドローンには、少しの食料を届ける以上の効果があります。
アンパンマンがそうであるように、孤立した人を慰め、「救助が来るまでもう少し頑張ろう」と希望に目を向けさせてくれるのです。