地球の近くを周回するISSのアニメーション
地球の近くを周回するISSのアニメーション / Credit:Airplane Mode(YouTube)_ISS flyby at low altitude (insane speed)(2022)
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What if ISS orbited Earth at 10,000 feet? https://thekidshouldseethis.com/post/iss-flyby-10000ft-animation

2022.11.15 Tuesday

時速約2万7700kmで移動する国際宇宙ステーションが地上近くを周回したらどう見える?

国際宇宙ステーション(ISS)は、地上から約400km上空にある有人実験施設です。

人工衛星の一種であり、他の人工衛星と同様、地球のまわりを周回しています。

そしてこのISSは、時速約2万7700kmというとんでもない速度で移動し続けています。

しかし上空の飛行機が非常にゆっくり移動して見えるのと同様に、人工衛星のISSがそんな速度で移動していることはなかなか実感できません。

そこでYouTubeチャンネル「Airplane Mode」は、地上の近くでISSが周回した場合の架空のアニメーションを作成しました。

普段は夜空をゆっくり移動する光点にしか見えないISSが、実際にどれほど速いのか体感できます。

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ISSが地球のまわりを周回する理由

地上から約400km上空には、サッカーコートほど巨大な有人施設「国際宇宙ステーション(ISS)」が存在しています。

ここには複数の宇宙飛行士が滞在しており、NASA(アメリカ)、ロスコスモス(ロシア)、JAXA(日本)、ESA(ヨーロッパ)、CSA(カナダ)の宇宙機関が協力して運営しています。

国際宇宙ステーション(ISS)
国際宇宙ステーション(ISS) / Credit:JAXA/NASA

ISS内は重力がほとんどない「微小重力」環境です。

地上にはない貴重な実験施設であるため、ここでしかできない1700件以上の実験が行われてきました。

例えば、微小重力環境での「生物の成長」や「人体への影響」などが調査されています。

またISSから地球や宇宙の観測を行ってデータを蓄積しています。

しかし、この特別な施設はどのように地上400kmに「浮かび続けて」いるのでしょうか?

地上から離れれば離れるほど地球の重力は弱まっていくとはいえ、ISSがただ上空に浮かんでいるだけでは、徐々に地球重力に引っ張られて落下してしまいます。

そこでISSは「高速で地球を周回」することで、この問題に対処しています。

大まかなメカニズムは、ニュートンの大砲と呼ばれる思考実験で説明できます。

ニュートンの大砲
ニュートンの大砲 / Credit:Education.com

上の画像のように、非常に高い山から大砲が砲弾Aを発射すると、砲弾は重力により徐々に地球に向かって落ちていきます。

これをもっと速い砲弾Bにすると、落下位置が少し遠くなります。

では砲弾の速度をさらに大きくするとどうなるでしょうか?

砲弾Cのような軌道をたどるようになります。

砲弾Cは確かに重力の影響を受けて地球に向かって落ちているのですが、地球が丸いため、いつまでも地上に到達しないのです。

これはいわば永久に落下し続けているような状態です。

そしてこの動きを成立させるには、空気抵抗がない環境で、十分な速度を出す必要があります。

それを満たしたものが、「地上400kmを高速周回するISS」というわけです。

ISSは地上400kmを高速周回している
ISSは地上400kmを高速周回している / Credit:#きぼうを見よう

ISSを含むほとんどの人工衛星は、打ち上げ時のロケットによって適切な速度まで加速。

地上400kmでは空気抵抗がないため、その後は、主な推進力がなくても最初の速度を維持しつつ前進してくれます。

ちなみに、前進速度が小さいと砲弾AやBのように地上に落下し、前進速度が大きすぎると砲弾Dのように地球から遠く離れていってしまいます。

そのためISSが地上400kmにとどまるための適切な速度は、約2万7700km/hになります。

ISSはこの速度により、地球を約90分で1周、1日で約16周しているのです。

では、地上からISSはどのように見えるのでしょうか?

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