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目が覚めたら「5年連れ添った妻」が誰か分からなかった男性

2021.01.27 Wednesday

2018.06.01 Friday

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Credit: BBC

妻のラケルと夫のアダムは、5年連れ添ったアメリカに住む夫婦。

2016年9月のある朝、ラケルがパジャマ姿でリビングルームに向かったところ、夫のアダムが怪訝そうな目でこっちをみていました。そして彼は実の妻に対し、非常によそよそしく接してきたのです。その表情に「愛情」はありませんでした。そう、彼は自分の妻が誰なのか、全くわかっていなかったのです。

「いまどこにいるのかわかる?何歳だかわかる?名前は?」ラケルはアダムに問います。

アダムは答えます。「全部わかりません…」

質問を続けるほど、アダムが混乱していく様子がわかりました。ラケルはそこが自分たちの家であること、自分が愛を誓った妻であること、可愛い3人の子どもがいることを伝えると、アダムの目から涙がこぼれました。

ラケルは直ちにアダムを病院へと連れて行くため、支度をお願いします。アダムはスーツを探しますが、ラケルは彼がスーツを持っていないことを伝えます。それもそのはず、彼の仕事はパーソナル・トレーナーだったのです。

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しかし、ラケルが大きく取り乱すことはありませんでした。実はアダムは、以前にも記憶をなくした経験があったのです。その度重なる記憶喪失の原因を握る鍵は、彼の「交際相手から殺されそうになった」という大きなトラウマにありました。

元交際相手からの暴力によるトラウマ

その朝から遡ること5年。当時35歳のアダムは大手通信会社の支店長を任されていました。最初の結婚生活が離婚によって幕を閉じ、アダムは新たな交際相手との生活を始めます。しかし、その交際相手はひどく暴力的であり、しまいにはアダムを電気コードで絞殺してガレージに放置しようとしたのです。

救急隊の処置によってなんとか一命をとりとめたアダムでしたが、4ヶ月もの間、昏睡状態に陥ってしまいます。「目が覚めたとき、自分が誰なのかわかりませんでした。結婚して、離婚していたことも、2人の子どもがいたことも全て忘れていました」とアダムは語ります。1年間を病院で過ごし、歩き方や喋り方を思い出したアダムでしたが、彼の記憶が戻ってくることはありませんでした。

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自分の子どもたちと再会したとき、アダムはどんな顔をしていいのかわかりませんでした。「自分の子を忘れるような人が父親でいいのか?」アダムは自分に問いかけます。

アダムは前の仕事を再開することはできず、家族を以前のように養っていけるのか不安がよぎります。そして、彼は街を去ることを決意。子どもたちと共にアリゾナ州へと移り住んだアダムは、パーソナル・トレーナーという新たな職に就きます。

その頃出会ったのが現在の妻ラケル。当時30歳の彼女にも、1人の娘がいました。初めてのデートをとりつけたアダムでしたが、約束のバーに、約束の時間から1時間経っても彼は現れません。がっかりしていたラケルですが、そのときアダムからの電話が鳴ります。アダムは別のレストランでラケルを待っていました。

「とても申し訳なさそうだったわ。だから私も『大丈夫。誰でもミスはあるものだわ』って返したの」そう語るラケルは、アダムのテキサス訛りが気に入っていたようです。

そうして何度かデートを重ねた2人は数カ月後に同棲をはじめ、2015年7月に小さなチャペルで結婚式をあげます。

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