ローンの支払いが遅れると、愛車が自動で走り出して回収されてしまう
ローンの支払いが遅れると、愛車が自動で走り出して回収されてしまう / Credit:Canva
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ローンを滞納すると「自動運転で勝手に倉庫へ帰ってしまう」車が特許取得!

2023.03.03 Friday

電気・水道・スマホの通信・サブスクなど、月々の支払いは滞納してしまえば、サービスの提供は強制的に停止することができます。

しかし車のような高額商品のローン滞納では、購入者が支払いの催促や自動車の回収を拒否する場合があり問題となっています。

そこで最近、アメリカの自動車メーカー「フォード・モーター・カンパニー」が自動運転システムの実現に合わせた画期的なシステムを考案しました。

このシムテムはなんと利用者が度重なる催促無視をすると、車が自動でメーカーのもとへ走り去ってしまうのです。

この特許は2023年2月23日、アメリカ合衆国特許商標庁(USPTO)によって認可されています。

Ford patents self-driving car that repossesses itself if the owner fails to keep up with payments – and drives itself back to the showroom or scrapyard https://www.dailymail.co.uk/sciencetech/article-11803631/Ford-patents-self-driving-car-repossesses-owner-fails-payments.html Techniques and Repossess a Car(PDF) https://image-ppubs.uspto.gov/dirsearch-public/print/downloadPdf/20230055958

「車のローン支払い滞納」に対する新しい対処

車は私たちの生活を左右する重要な移動手段です。

特に地方では「車がなければやっていけない」と言われるほど必要不可欠なものです。

車は高額商品なので、ローンを組んで毎月支払う人も多いでしょう。

車をローンで購入する人も多い
車をローンで購入する人も多い / Credit:Canva

ところが最近、新型コロナウイルスや戦争の影響を受け、ローン支払いを滞らせる人が増えてきました。

会社側は利用者の辛い事情を理解できるものの、従業員を守るためにも、ローン支払いの滞納に対処しなければいけません。

特に、度重なる催促を無視して、強引に車を所持し続けようとする厄介者たちには頭を悩ませています。

そこでフォード社は、新たな催促システムの特許を取得しました。

通常、ローン支払いの催促は従業員が利用者に対して行うものですが、このシステムでは、車自身が利用者に催促を行い、これを無視し続けた場合、最終的に車が自ら差し押さえを実行するというのです。

支払いの催促は段階的に行われるようです。

支払いが滞ると、最初はカーナビ、音楽、エアコンなどの快適機能が無効化され、利用者に「一定の不快感」を与えます。

最初は「不快感」を与えて、支払いを催促する
最初は「不快感」を与えて、支払いを催促する / Credit:Canva

それでも支払われないなら、次の段階に進みます。

利用者が車に乗り込むたびに、車内でノイズを絶え間なく鳴り響かせるのです。

さらに特定の曜日・時間帯・場所で車を停止させる措置も行えます。

例えば、平日に職場へ向かうことは可能にし、週末の遊びには車を使えなくすることができるのです。

この制限のポイントは、「支払いのためにお金を稼ぐ活動は制限しない」ということです。

そして、こうした様々な催促にも応じない場合、システムは最終手段を講じます。

自動運転機能を作動させ、利用者の意思とは無関係に、差し押さえの保管場所まで走り去ってしまうのです。

走行距離が長く、車としての価値が低い場合は、そのまま解体工場まで走ってリサイクルされる場合もあるようでです。

催促を無視し続けると、自動運転で回収される
催促を無視し続けると、自動運転で回収される / Credit:Canva

この斬新なシステムは、2021年8月に特許申請され、2023年2月23日に認可されました。

もちろん、特許が得られたからと言って、フォード社がこのシステムをすぐに導入するわけではありません。

というのも、このシステムは自動運転技術が確立されなければ機能しないからです。

また専門家は、システムを悪用した「乗っ取り」を危惧しています。

「会社が車を遠隔操作する」システムの穴を突けば、ハッカー(クラッカー)たちが自由自在に車を集めて海外に売り飛ばすことも可能だというのです。

システムを実装するためには、こうしたリスクへの確実な対処が必要です。

それでも今回の特許取得は、自動運転が標準化された将来の社会を垣間見せるものとなりました。

その時には、納車や回収、差し押さえなども全自動化されているのかもしれません。

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