江戸時代の風景
江戸時代の風景 / credit:小笠原玄(Ogasawara Gen) – ORADA
history archeology

昔もたばこに厳しかった?江戸時代初期に出された禁煙令

2023.07.31 Monday

昨今ではたばこに対する風当たりが強く、喫煙者に肩身の狭い世の中になっています。

しかし喫煙者に厳しいのは今に始まったことではなく、江戸時代には禁煙令さえ出されたことがありました。

本記事では江戸時代の日本社会でのたばこの扱いと、江戸時代に出された禁煙令について紹介していきます。

この研究については、慶應義塾大学三田史学会史学90巻1号に詳細が書かれています。

慶應義塾大学学術情報リポジトリ(KOARA) – XooNIps (keio.ac.jp) https://koara.lib.keio.ac.jp/xoonips/modules/xoonips/detail.php?koara_id=AN00100104-20210900-0001

鉄砲やキリスト教と共に、日本に上陸したたばこ

敵討乗合噺 松本幸四郎肴屋五郎兵衛、東洲斎写楽の代表作としても知られている。
敵討乗合噺 松本幸四郎肴屋五郎兵衛、東洲斎写楽の代表作としても知られている。 / credit:第6回 浮世絵と喫煙具|Web展覧会|特別展|たばこと塩の博物館 (tabashio.jp)

たばこの起源は古代から遡ることができます。

たばこはもともとアメリカ大陸の中央部に広がる地域で、先住民によって神聖な儀式や薬として使われていたと言われています。

その後16世紀の初め、アメリカ大陸を探検したスペインの航海者たちが、たばこと出会い、これを持ち帰ったことでヨーロッパにもたばこが広まっていきました。

そして16世紀末にはポルトガルを経てアジアへも広まっていったのです。

日本へのたばこの伝来は、ポルトガル船が16世紀半ばに長崎に初めて上陸したことがきっかけとされています。

当初は医薬品として扱われ、当時の日本社会では珍奇な輸入品として受け入れられました。

そして江戸時代初期には徐々に一般庶民にも広まり、高級品としてのイメージから、身近な日常の一部となっていったのです。

当時たばこは諸病平癒の薬として扱われており、病人や老人などが積極的に喫煙していました

もちろん現在のように、たばこが健康を害するものであるとは誰も捉えられていなかったです。

しかし、そうでありながら幕府は禁煙令を発することになります。それは理由はなんだったのでしょうか?

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