口を開ける淡水魚
口を開ける淡水魚 / Credit:Public Domain Pictures
biology

魚は喉が渇くことはないのか?実は魚も飲み水に困っていた!? (2/3)

2024.01.08 Monday

2024.01.07 Sunday

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淡水魚は、むくみの危機にある

川を泳ぐ淡水魚の例
川を泳ぐ淡水魚の例 / Credit:フリー素材ドットコム

一方、淡魚の場合は、海水魚とは逆の機構となっています。水はほとんど飲まず、体から水分を出す行動、つまり「尿」は大量に放出するのです。なぜこのような方法を取っているのでしょうか?

もし淡水魚がこのような方法を取らなかった場合、彼らは身体がむくんでしまい、最終的には水でパンパンに膨れて破裂する危険すらあるためです。

これは、彼らが水を積極的に飲まなかったとしても、勝手に起こってしまいます。

なぜ自動的にむくんでしまうのでしょうか? それは、彼らの周囲にあるのが、塩分濃度の低い「真水」でるためです。

生物体内の塩分濃度は約1%ほどであるのに対し、真水の塩分濃度は約0.01%ほど。つまり、生物体内の方が塩分濃度が高くなっているため、先に述べた「浸透圧」により、外部から体内へ、水分がドンドン流入して来るのです。

淡水魚は、積極的に水を飲まずとも、勝手に水が体内に入ってくるのですね。

その上、餌を摂取する際に自然と水を飲んでしまうこともあります。この際、淡水魚は逆に塩分が足りていないため、摂取した水から必要な塩分だけを吸収し、あとは大量の尿として排出するのです。

つまり、淡水魚も「浸透圧」の仕組みを利用しながら、淡水から上手く水分を摂取しています。しかし、「周囲にある塩分の濃度が、自分の体内より濃いか?薄いか?」で、海水魚とは真逆の仕組みになるのですね。

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