空を飛んで消火するロボットを開発
空を飛んで消火するロボットを開発 / Credit:山内 悠(秋田県立大学)ら, Frontiers in Robotics and AI(2023)
robot

ホースを触手のように伸ばして消火活動するロボット「ドラゴンファイヤーファイター」

2023.12.27 Wednesday

大量の水をまき散らしながら、蛇やミミズのようにのたうち回るホースを見たことがあるでしょう。

これを自在に制御すれば、まるで龍のように空を飛び、口から火ではなく水を吐かせることができるようです。

秋田県立大学の山内 悠氏や東北大学の田所 諭氏らからなる研究チームは、空を飛んで消火活動するロボット「ドラゴンファイヤーファイター」を公開しました。

このロボットが実用化されれば、消防士を危険にさらすことなく消火活動を行えるかもしれません。

研究の詳細は、2023年12月22日付の科学誌『Frontiers in Robotics and AI』に掲載されています。

Flying ‘dragon’ robot could fight fires from a distance https://www.scimex.org/newsfeed/flying-dragon-robot-can-fight-fires-from-a-distance “Flying dragon” robot harnesses the “crazy hose” effect to fight fires https://newatlas.com/drones/flying-dragon-firefighting-robot/
Development of a remotely controllable 4 m long aerial-hose-type firefighting robot https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/frobt.2023.1273676/full

消防士の代わりに火元に近づく消火ロボット

炎に近づく消防士たち
炎に近づく消防士たち / Credit:Canva

火事が生じるとすぐに駆け付ける消防士たちは、燃え盛るに近づき、消火活動を行ってくれます。

しかも消火中は、強い力で消火ホースをしっかりと固定していなければいけません。

ホースが一度手放されてしまうと、周囲にをまき散らしながら制御不能になるからです。

上の動画では笑い声も含まれており、コミカルな場面として扱われていますが、時には暴れまわるノズルが頭部に当たって大怪我をすることもあるようです。

そのため消防士たちは消火ホースを手放せず、結果として、命を危険にさらしながら消火対象に近づかざるを得ません。

ビルの高い階層で火災が発生した場合などでは、効率的に消火していくことも難しいでしょう。

消防士の代わりに火元に飛行して近づく「ドラゴンファイヤーファイター」
消防士の代わりに火元に飛行して近づく「ドラゴンファイヤーファイター」 / Credit:山内 悠(秋田県立大学)ら, Frontiers in Robotics and AI(2023)

こうした課題に対処するために考案されたのが、まるで龍のように空を飛ぶ消火ホースロボット「ドラゴンファイヤーファイター」です。

このロボットの開発は2016年から始まっており、研究者たちは日本の消防士と連携をとってニーズを理解しながら改良を続けてきました。

次ページ空を飛んで消火する「ドラゴンファイヤーファイター」

<

1

2

>

人気記事ランキング

  • TODAY
  • WEEK
  • MONTH

Amazonお買い得品ランキング

ロボットのニュースrobot news

もっと見る

役立つ科学情報

注目の科学ニュースpick up !!