カラスはなぜ死姦するのか? カラスによる「ネクロフィリア」の衝撃映像が公開される

animals_plants 2018/07/23
Credit: theatlantic

カラスは非常に高い知能を持つとされ、「葬式」をすることでも知られています。仲間の死骸の周辺を飛び回り、近くに脅威がないのかを確認している行為が葬式に例えられているのです。

そんな珍しい光景の撮影を試みたのは、ワシントン大学で鳥の生態を研究しているカエリ・スウィフト氏。しかしスウィフト氏のカメラがとらえたのは、「葬式」よりも衝撃的な映像。仲間の死体に性器をこすりつける「屍姦」でした。

多くの他の鳥と同様に、カラスにはペニスがありません。挿入行為ができない代わりに、彼らは互いの総排出腔(直腸・排尿口・生殖口を兼ねた器官)を接触させることで生殖行為を行います。しかし、これを行うためにはメスが腹ばいになっている状態では難しく、動画ではその状態の「死骸」にどうにか屍姦しようとオスが悪戦苦闘している様子が分かります。

「いや、これは仲間の生還を信じて『CPR(心肺蘇生)』を試みているんだ」と信じたくなる気持ちもわかりますが、スウィフト氏はこれがネクロフィリア(屍姦)であると断言しています。

これに興味を持ったスウィフト氏は、さらなる実験を敢行。カラスの死体への反応を3年にわたって追い続けました。その結果、多くの場合が死体に対して「遠くから鳴く」などして仲間に警戒を促すいわゆる「葬式」行為をしていることが分かりました。そして、そのうち24%が死体をつついたり引っ張るなどして死体に対する接触行為をしており、4%が性的な行為に至ったとしています。

スウィフト氏は、この観察の成果を学術誌 “Philosophical Transactions of the Royal Society B” にて発表しています。

Occurrence and variability of tactile interactions between wild American crows and dead conspecifics
http://rstb.royalsocietypublishing.org/content/373/1754/20170259

研究の中で、確かに屍姦は繁殖期に多く観察されましたが、単に性欲を満たす「相手」が近くにいないといった理由ではないようです。たとえ生きている相手が近くにいようとも、屍姦行為は行なわれました。

屍姦の理由についてスウィフト氏は、繁殖期の特定のカラスにおけるホルモンの異常が、いつもとは異なる刺激に対処できずに異常行動に至っている可能性があることを指摘しています。

また、ネクロフィリアはカラス特有の現象ではありません。イルカ、リス、カエル、トカゲなどの他の動物においても屍姦行為が確認されています。さらに、人間の世界においても異常性癖の一つとして知られているほどです。

中でも「マガモ」の屍姦は有名です。オランダの生物学者キース・ムーリカー氏が、ガラスに激突して命を失ったマガモが屍姦される様子を観察した論文はイグノーベル賞を受賞し、世界中で話題となりました。

我々人間を含め、時に動物の行動は私たちの理解を超えます。その最たる例である「ネクロフィリア」をただの「変態」ととらえるのか、科学的に解明できる「意味のある行為」ととらえるのかは、私たちの「分からないもの」に対する態度の違いにかかっています。

 

via: theatlantic / translated & text by なかしー

 

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