・イギリスの衛星がスペースデブリを取り除くネット式装置の実証実験に成功した
・低コストでスペースデブリ除去を行う計画で、2018年4月に実証実験用衛星の打上げに成功
・今後は、銛式装置やデブリの地球落下を促す装置などの実験を実施する予定
地球衛星軌道上を周回する人工物ゴミ、スペースデブリ。このゴミを取り除くために開発されたイギリスの衛星RemoveDEBRISが、9月16日、宇宙での実証実験に成功しました。
地球軌道上には、使われなくなった衛星機やその残骸である人工物のゴミがたくさん溜まっています。10センチ以下の小さいものを含めると約5兆個も存在し、移動速度は時速数百から数千キロといわれています。これが現在、宇宙開発に伴う深刻な問題として、国際的な課題となっているのです。
そこでスペースデブリ問題を解決するべく、Surry Satellite Technology Ltd(SSTL)率いる欧州連合が、低コストのスペースデブリ除去計画RemoveDEBRISを始動させました。
RemoveDEBRIS計画では、スペースデブリを除去するための装置を開発し、実験を行います。その装置には、ネットでデブリを捕えて地球大気圏に落下消失させるネット式捕獲装置や魚を突くモリの要領でデブリを捕獲する銛式捕獲装置などがあります。
今回は、計画の1つであるネット式捕獲装置を実際に地球軌道上で実証することに成功しました。
実証実験を行うための衛星は、2018年4月に国際宇宙ステーションに向けて打ち上げられました。6月には日本の実験施設「きぼう」から軌道上に放出されています。今後は、他の装置を用いた実験を行う予定です。
via: TheVerge, University of Surry / translated & text by ヨッシー