無意味な情報に「規則性」を見出してしまう人は騙されやすいという研究

psychology 2018/11/29
Point
・何もない無意味な情報に規則性を見出すような知覚作用を「アポフェニア」と呼ぶ
・「アポフェニア」を示す傾向にある人は、他人から騙されやすいことが多い
・「アポフェニア」は、重要な情報と無意味な情報とを正しく識別できないことから生ずる

なんでもない数字の配列に規則性を見出したり、自分の生年月日と偉人の生年月日に関連性を見つけたりしたことがある人も少なくないでしょう。ですが、根拠もなく規則性を発見しようとすることは、騙されやすさにもつながるようです。

このような傾向を持つ人は、「アポフェニア(apophenia)」の傾向がある可能性があります。アポフェニアとは、無意味な情報や数字の羅列に、独自の規則性や因果性を見つけようとする知覚作用のことです。

今回、メルボルン大学のティモシー・ベインブリッジ氏が発表した研究では、アポフェニア傾向のある人は、本当に重要な記述と、でたらめな記述とを見分けることが困難であることが分かりました。詳しい内容は“the European Journal of Personality”に掲載されています。

Openness/Intellect and Susceptibility to Pseudo‐Profound Bullshit: A Replication and Extension
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1002/per.2176

研究では、297人の学生にいくつかの文章を読んでもらいました。文章には、「意味の通る記述」や「日常のありふれた記述」、そして「でたらめな記述」とを混ぜ合わせており、それを学生たちに重要であるか否かの基準で評価付けさせたのです。「意味の通る記述」には、例えば「クリエイティブな大人は子供心を忘れていない人である」といったもの、そして「日常のありふれた記述」には、「乳児には常に目を向けなければならない」といったものです。そして反対に、「でたらめな記述」は、実験者があえて単語をランダムに羅列して意味の通らない構文をつくったもので、例えば「隠された意味は比類ない抽象美へと変化する」「完全性が無限の現象に静まり返る」といったような文章です。

すると結果では、「アポフェニア」に関する高いスコアを示した学生は「でたらめな記述」をより重要だと評価する傾向にあり、反対に「知性」に関して高いスコアを示した学生は「でたらめな記述」に対して低い評価を与えていたことがわかったのです。

また、「知性」で高いスコアを示した学生は、「でたらめな記述」のすべてに低い評価を与えていたわけではありませんでした。というのも、実験者は一見意味の通らない単語の羅列を入れ替えると、もはやでたらめな文章ではなくなるような記述も紛れ込めせていたのです。つまり、「知性」は重要である記述とそうではない記述との違いを明確に探し出す能力につながっているのです。一方で、「アポフェニア」の傾向にある学生は、でたらめなことと重要なことを見分けられませんでした。

では、でたらめな記述を「重要だ」と認識してしまう原因は一体何なのでしょうか。研究者によると、2つの仮説的なメカニズムがそこに関係していると言います。

1つ目は、「アポフェニア」を示す人は、始めからすべての物事を真実で意味があるとみなす強い先入観を持っているということです。研究者によると、人間は目の前にあるものを最初は理解できるものだと信じる傾向にあるそうで、この認知形態がでたらめな情報を誤って重要であると思い込ませてしまうのです。そして2つ目が、「アポフェニア」を示す人は、でたらめな情報を潜在的に探知することができないということに依拠しています。その特性を持つ人は、文章の印象的な響きに対して直感的な認識することで、曖昧なことと重要なこととを混同してしまうのです。

要するに、でたらめな数列や文章に規則性があると感じてしまう人は、重要な情報と無意味な情報とを識別できないことに原因があったのです。「アポフェニア」を示す人は、このような理由から、超常現象を信じたり、占いや詐欺に引っかかることが多いようです。

 

なんでもないところに規則性を見出すことは騙されやすいようですが、このような能力が世紀の発見につながる可能性があるのも事実です。「りんごが落ちたとみんなが笑い、ニュートンひとりが何故と聞く」という警句があるように、ニュートンは誰も気にしないようなことを突き詰めることで、万有引力の法則を発見するに至りました。「アポフェニア」と天才性は紙一重かもしれませんが、そこを分けるのは、自身を批判的な目で見れる「客観性」なのかもしれませんね。

 

「陰謀論」を信じやすい「2タイプ」の人とは

 

via: psypostjournal.sjdm / translated & text by くらのすけ

 

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