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子宮は認知能力に影響する? 妊娠・出産以外の子宮の意外な役割とは? (2/2)

2021.01.27 Wednesday

2018.12.18 Tuesday

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■子宮の摘出で卵巣との接続システムが混乱

実験の2週間後に再び検査したところ、グループ1のラットの卵巣に物理的構造の変化はありませんでしたが、グループ4とはホルモンバランスがわずかに異なることが判明。これは、子宮のみを摘出することで、少なくとも術後しばらくは卵巣が異なるホルモンを作り出す可能性を示唆しています。

子宮と卵巣の両方を摘出した場合と異なり、子宮だけを摘出することで、卵巣と神経の接続システムが混乱するのでしょう。残された卵巣が、混乱したシステムを正常な状態に戻そうとすることで、ホルモンに変化が現れるのではないかと、研究チームは推測しています。

ただし、この研究は調査期間が短く、子宮摘出が認知機能に長期的な影響を与えていると断定することはできません。また、これはあくまでも動物実験に過ぎず、ヒトにも同じことが当てはまるかどうかは明らかになっていません。

とはいえ、この研究は、子宮の働きに関する新たな側面を私たちに見せてくれたことの意義は大きいです。妊娠中以外は静かに休んでいるだけで何の役にも立たない「無用の長物」とさえ考えられていた子宮が、私たちの予想を超えた機能を果たしている可能性を示してくれたのですから。

「第六感」は腸から来ていた? 腸細胞にもシナプスが存在することが示唆される

referenced: popscidiscovermagazine / written by まりえってぃ / edited by Nazoloy staff

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