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天の川銀河に「存在しないはずの星」が発見される

2021.01.27 Wednesday

2019.04.13 Saturday

Credit:phys.org
Point
■天の川銀河のハローに「存在しないはずの星」が発見される
■その星には、鉄や炭素といった重い元素がほとんどなく、代わりに大量のリチウムが含まれていた
■リチウムは宇宙最初期に誕生した元素の1つであり、この星は宇宙初期のリチウムをそのまま含む可能性がある

その正体はいかに?

スペインのカナリア天体物理研究所(IAC)によると、地球から9450光年離れたハロー(天の川銀河を球状に取り巻く部分)に、炭素や鉄元素をほぼ含まない恒星が発見されたそうです。

その星は非常に古く小さな星で、「J0023+0307」と名前がつけられました。しかし天文学者たちは、口をそろえて「存在するはずがない」と戸惑っているようです。果たしてどういうことなのでしょうか?

研究の詳細は、4月2日付けで「The Astrophysical Journal Letters」に掲載されています。

Back to the Lithium Plateau with the [Fe/H] < −6 Star J0023+0307
https://iopscience.iop.org/article/10.3847/2041-8213/ab1076

鉄や炭素がなくて「リチウム」が豊富

発見された恒星には、いくつかの奇妙な特徴があります。まず、これまでに見つかっている恒星の中で最も金属量が少ないということです。

「J0023+0307」の金属量は、太陽に含まれる金属量の1000分の1以下なんだとか。ちなみに太陽の9割は水素とヘリウムで、金属量は鉄と炭素を合わせても全体の0.5%にも達しません。

Credit:pixabay

その代わりこの恒星は、専門家も驚くほど大量のリチウムを含んでいることがわかっています。「鉄や炭素がほぼなくて、リチウムが満載」これが大きな特徴です。

この星が誕生したのは、ビッグバンのおよそ3億年ほど後のことだと分かっています。その時期は宇宙で初めて形成された、いわゆる「第一世代」の恒星たちが寿命を終え始めたちょうど後のこと。つまり「J0023+0307」は「第二世代」に属するというわけですね。

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