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世界征服に必要な文明は偶然から生まれた!? ヨーロッパにだけ「銃・病原菌・鉄」が発達した理由とは

reference: 『銃・病原菌・鉄』『世界史との対話-70時間の歴史批評(上)』
2020.12.13 Sunday

歴史を振り返ってみれば、ヨーロッパが世界各地を征服し、「勝者の文明」を築いた過去が見えてきます。

その中で、「ヨーロッパ人は賢いから」という人種主義的な考え方も現れました。

はたして、この考えは正しいでしょうか?

実は、ヨーロッパが世界を征服できたのは、いくつもの偶然に恵まれただけだったとすればどうでしょう?

「勝者と敗者の文明格差」が生まれた秘密について、ジャレド・ダイアモンドのベストセラー『銃・病原菌・鉄』からひも解いてみましょう。

「166人vs8万人」でスペインが勝てた理由とは?

コロンブスがアメリカ大陸を発見した1492年、歴史は大きなターニングポイントをむかえました。

これを機にヨーロッパ勢が南北アメリカの征服に乗り出したのです。

1532年、スペイン王国の軍人ピサロは、わずか166名の兵を率いて、インカ帝国の皇帝アタワルパに戦闘をしかけました。

アタワルパ軍の兵力は約8万。

ところが、フタを開けてみると、スペイン側はわずか数分でアタワルパを捕らえ、8ヶ月にわたり身代金を絞りとった挙句、絞首刑にしました。

数に劣るスペインが圧倒できたのはなぜでしょう?

アタワルパの処刑
アタワルパの処刑 / Credit: ja.wikipedia

それは、銃、機動力に長けた馬、鉄製の剣や槍を持っていたからです。

くわえて、スペイン側の最大の武器は「病原でした。

スペイン人が持ちこんだ天然痘・インフルエンザは、もともと南北アメリカに存在せず、免疫力のない先住民たちは凄まじい勢いで死んでいきました。

1530年代には800万人いたインカ帝国の人口は、1590年代に100万人まで激減しています。北アメリカも同じ運命に見舞われました。

南北アメリカは1492年から、たった100年で滅亡の危機に立たされたのです。

天然痘の被害を訴えるアステカの絵(1585年)
天然痘の被害を訴えるアステカの絵(1585年) / Credit: ja.wikipedia

先住民たちは、「銃・病原菌・鉄」という持たざる物によって滅ぼされました。

ヨーロッパは同じように、アフリカ、インド、オーストラリアなどを征服していきます。

では、文明の格差を生んだ「銃・病原菌・鉄」が、一部の人間だけに発達したのはなぜでしょう?

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