事件は会議室で起きてるんじゃない、パティシエのキッチンで起きてるんだ!
海外掲示板「reddit」に投稿された動画が、「面白い」「美しい」と話題を呼んでいる。動画を作成したのはあるパティシエの男性だ。
動画では溶かした砂糖を使って「シュガードーム」なるお菓子を作っているのだが…
ラップの上に流した砂糖水が、みるみるドーム上に広がっていくのがわかる。
しかし動画内には仕組みに関する説明は一切無い。動画を見た人も、「一体どうなってるんだ?」と疑問の声を書き込んでいる。
そこでナゾロジー編集部が動画内に写るいくつかのヒントをもとに、「シュガードーム」のメカニズムを推理してみた。
ラップよ、なぜ破れない?
まず最初に気になるのは、溶けたてアツアツの砂糖を流し込んでも、ラップが破れていないということだ。砂糖の融点は種類にもよるが、160度〜180度の間で安定している。
一方でラップが溶ける温度は、ポリエチレンで110度、塩化ビニル樹脂で130度、ポリ塩化ビニルで140度あたり。ということは、1番耐熱性のあるポリ塩化ビニルでも溶けて破れてしまうはず。
これは、どうやら砂糖に水を混ぜて一緒に溶かすことで解決するようだ。砂糖と水の分量を調節することで融点は110度あたりまで下がるらしい。動画でも、砂糖を溶かすときに銀色の棒が写り込んでいる。
おそらく温度計で、砂糖の温度をうまく調節しているのだろう。ふむふむ、これでラップも破けないというわけか。