【東京ゲームショウ2019】論文が元ネタのゲーム「ラクガキキングダム」や、話題の「FF7リメイク」をレポしてみる

東京ゲームショウ2019が開催されました。

最新のゲームは、アメリカコンピュータ学会のCGを扱う分科会SIGGRAPHでも取り扱われた技術が取り込まれたり、またFF15のようにゲームで用いた技術が同学会での講演内容になったりと、科学技術の粋を尽くしたエンターテイメントに成長しています。

今回はそんな、最新ゲームの祭典東京ゲームショウ2019の様子をレポートします。

論文が元ネタのゲーム 「ラクガキキングダム」

タイトーブースで最初に発表された「ラクガキキングダム」。こちらはスマートフォン用ゲームですが、元々はPS2で発売された「ラクガキ王国」の続編となります。

PS2世代の人達なら懐かしいと感じるゲームと思いますが、これは元々は東京大学大学院情報理工学研究科の五十嵐健夫教授が院生のときにSIGGRAPH’99で発表した論文が元となって、ゲームシステムが開発されています。

本作のプロデューサー下里氏もこの論文との出会いが無ければゲームは誕生しなかったと語っています。

ラクガキキングダムプロデューサー下里 陽一氏/Credit:TGS2019ラインナップ紹介+ラクガキステージ Side COLLABORATION

この核となる論文は20年も前に発表されたものですが、研究者の五十嵐健夫教授自ら、今回はタイトーブースでゲームに利用されている技術解説を行ってくれました。

ラクガキキングダムに利用されている技術は、ペイントのような2Dで簡単に描いたイラストが3Dのポリゴンに変換されるという技術です。ラクガキ王国を遊んだことがある人は知っていると思いますが、適当に線を引いた絵が立体に変わるというのはかなり画期的で面白いものです。

Credit:TGS2019ラインナップ紹介+ラクガキステージ Side COLLABORATION

上図のように、絵を書くだけで立体が簡単に作れて、さらに削り取ったり付け足したりもできます。これは「絵は誰でも簡単にラクガキできるのに対して、CGの立体は作るのに手間がかかりすぎる」という問題を解決するために考え出された技術です。

Credit:TGS2019ラインナップ紹介+ラクガキステージ Side COLLABORATION

内部のアルゴリズムとしては、描かれた2Dの絵のサイズに応じて厚みをもたせるという処理を行っています。絵の中心線を取り、そこから外周までの距離を測って、それに応じた膨らみのある立体を作り出すのです。単純なようですごい発想です。

こうした技術で作られたのが20年前に発売されたラクガキ王国です。この技術は20年の間にブラッシュアップされ、当時よりももっと繊細な表現も可能になっているようです。

またPS2の時代は作ったCGキャラクターは自分のゲームのデータの中だけでしか見られないものでしたが、ラクガキキングダムではこれをネット上に公開して利用可能になっているそうです。

これはPixivと連動して開発中の仕掛けで、Vtuberのマスコット的な利用や、CGモデルとして他のアプリで再利用できるようになるそうです。

さらにはARアプリと連動して実世界へ表示して、一緒に記念撮影などもできるようになるとか。

Credit:TGS2019ラインナップ紹介+ラクガキステージ Side COLLABORATION

さすがSNS時代のラクガキ王国。

当時、せっかく苦労してお気に入りのCGキャラを作っても、バトルに使うだけで終わりでもどかしい思いをしたプレイヤーにとっては素晴らしい仕組みです。このゲームは動画配信に相性がよく、そこで知った人も多いでしょう。当時も「作ったキャラを人に見せたい」と多くの人が思っていたのではないでしょうか。まさに今の時代にぴったりなのかもしれません。

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