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本結びと縦結びはどっちが強い?「圧力で色が変わる繊維」によって科学的に解明!

2021.10.07 Thursday

2020.01.06 Monday

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Credit:pixabay
point
  • ロープは結び方によって結び目の強度や安定性がなぜ大きく変化するが、その理由は十分理解されていなかった
  • 新たな研究は圧力で色の変化する繊維を利用して、結び目をモデル化し交差やねじれの条件を明らかにした
  • このモデルにより、結び目の安定性の比較や、状況に応じた最適な結び目の提示が可能になる

ロープを固定するとき、重要になるのが結び方です。世の中には様々なロープの結び方があり、その方法によって結び目の強度や安定性は大きく変わってきます。

これは船舶免許を取ろうとした人や、登山家、建設現場で働く人たちなら、基礎的な知識として学んだ経験があるでしょう。

しかし、なぜ結び方によって結び目の安定性は変わってくるのでしょうか? その物理的な理由については、実はこれまで十分に理解されていませんでした。

マサチューセッツ工科大学の数学者や技術者の研究グループは、そんな結び目の安定を予測するための数学モデルを開発しました。

長い歴史の中で、経験的に洗練されていった結び目。このモデルは、最高の結び目とは何なのか? その理由を示してくれるといいます。

この研究はマサチューセッツ工科大学の機械工学准教授のKolle氏、数学の准教授Dunkel氏らの研究グループにより発表され、1月3日付けで科学誌『Science』に掲載されています。

Topological mechanics of knots and tangles
https://science.sciencemag.org/content/367/6473/71

圧力で色の変わるロープ

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変色する伸縮性繊維によるオーバーハンドノット。/Credit:Massachusetts Institute of Technology

今回の研究で面白いのが、結び目の強度を理解するために張力や圧力に応じて色が変化する伸縮性繊維を利用したことです。

この不思議なカメレオンロープは、引っ張ると繊維が虹色から別の色に変化していきます。

開発者のKolle氏がこの繊維について講演を行った際、聴衆の中に数学者のDunkel氏がいて、この不思議なロープを使って結び目の安定性が研究できるのではないか、と考えたのが今回の研究チーム結成のきっかけだったのだそうです。

数学の分野では、長い間幾何学的な問題としてヒモの結び目に興味を持っていました。この場合、数学者たちはヒモを両端のつながった閉曲線として考え、材質や力学的な要素も無視してヒモのねじれや変形の問題として考えます。

しかし、Dunkel氏は今回の特殊な繊維を利用することで、この結び目理論の数学的モデルに物理的な特性を追加して、ある結び目が他の結び目より強い理由を説明できると考えたのです。

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