これまでにない遠距離治療
モール氏とNASA医療チームは、話し合いの結果、希釈剤による治療がベストと判断しました。
しかしモール氏は「ISSにある医療物資は少なく、血液希釈剤も数が限られていた。そこで、次回の物資供給まで持つように、投与量を慎重に決める必要があった」と話しています。
こうして希釈剤による治療が40日にわたり継続し、投与から43日目に新しい血液希釈剤が送り届けられました。全体で90日以上続いた治療期間を通して、モール氏は、宇宙飛行士とメールや電話でコンタクトを取り、詳しい診断を行ったそうです。
その時の様子について、モール氏は「ISSは地上から約400km離れた場所を時速2万7000キロで移動しているにも関わらず、スムーズに通話することができた」と話します。