話題のベテルギウスの明暗を捕らえた! 最期に爆発する星って、実はレアなの知ってた?

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冬の大三角を構成するオリオン座の星、ベテルギウス。全天で9番目に明るい星でしたが、昨年末に観測史上もっとも暗くなっていて、超新星爆発を起こして一生を終えるのでは…と話題になりましたね。

Credit: ofugutan(2020年1月16日撮影)冬の大三角。三角形の角の1つを構成しているオリオン座の星がベテルギウス

皆さん、実際に違いを観察してみましたか? とはいっても、「前のベテルギウスなんて覚えてないし、肉眼でわかるもんなの…?」となると思うので、比較してみましたよ。

ベテルギウスを観察した! 見え方ビフォーアフター

こちらの写真は、2019年10月4日のオリオン座。「変光星」についての記事を書くために写真を撮っていたとき、東の空から昇ってきたので、ついでに撮っておいたものです。

右にある星、2等星のベラトリックスと比較すると、左側にある1等星のベテルギウスの方が明るいですよね。

Credit: ofugutan(2019年10月4日撮影)

そして、こちらが2020年1月15日に撮影したもの。南の空に上がったので星座の角度が変わっていますが、矢印は同じ星につけています。左のベテルギウスと右のベラトリックスが同じような明るさに見えます!

Credit: ofugutan(2020年1月16日撮影)

これまでは、オリオン座でもっとも明るい星、リゲル(右下の星)に引けをとらなかったベテルギウスですが、目で見てわかるくらいの違いになっていますね。

変光星としてのベテルギウス

見た目的にもいよいよ爆発の危険があるのかも…と思ってしまいそうですが、ベテルギウスも以前ご説明した変光星という、明るさが変化する星の1つ。

星は寿命が終わりに近づくと、明るくなったり暗くなったりを繰り返すものの、星が変光する理由は複数あるので、今回の減光の理由は終わりがくる直前だからとは言い切れません。

もともとベテルギウスは半規則的な変光星に分類され、いくつか変光のサイクルを持っています。複数のサイクルの最小値が一致すると、いまのように暗くなってもおかしくないとのこと。

また、ガスや塵が星を暗くしてしまっているのではと考える天文学者もいます。

10万年以内には爆発を起こすのではと言われていますが、天文学的には近日でも、私たちの感覚においては、まだまだ先の話のようです。

さて、ベテルギウスの話のように、星の終わりといったら爆発するというイメージかもしれませんが、必ずしもそういうわけではないんです。

そもそも、星の仕組みとは? そして、星の寿命ってどのように決まるのでしょうか。

星の寿命は何によって決まるのか?

星を見ていると、さまざまな色の違いがあります。

筆者は子どもの頃、星は年をとるにつれて青から赤くなっていき、青い星は温度が高くて若く、赤い星は温度が低いと知りました。よって、赤い星を見ると、残りの寿命が短いんだな…と思っていました。

でも、そもそも星によって元から持っている寿命の長さは違い、一概にそうとは言えないのです。

星はガスが重力で集まって形成されます。中心に向かってガスがどんどん集まるいっぽう、ガスの圧力は外側に向かい、両者が釣り合うために球形を保ちます。

つまり、重い星ほど大きな重力エネルギーを持つために熱エネルギーも大きくなり、明るい星になるというわけです。

そして、星はどれくらいのガスが集まって星になったか(質量)によって、寿命が異なります。

重い星:高温で明るく、寿命が短い

軽い星:低温で暗く、寿命は長い

Credit: Ohio State University Astronomy 1144: Introduction to Stars, Galaxies, and Cosmology(Graphic by R. Pogge)

具体的に言うと、質量が太陽くらいの星の寿命は100億年。それが、太陽の10分の1くらいの質量だと1兆年と長生きに、太陽の10倍くらいの質量だと1000万年ほどの短命になるのだとか。

一気にばっと燃え上がるか、じわじわと時間をかけて燃えていくか。星でも燃費について考えることになるとは…。

Credit: depositphotos

星の最期は3つ。実はほとんどは爆発しない!?

冒頭に述べたように、星の最期は必ずしも「赤く大きく膨らんで最終的には爆発してしまう」赤色巨星から超新星爆発の道をたどるわけではありません。恒星のうち97%は爆発せず白色矮星になると言われています。

質量が小さい星の場合

核融合反応で、水素→ヘリウム→酸素・炭素と元素が作られますが、まず中心にヘリウムがたまって周りの水素が核融合をしてエネルギーを出し、星の外側が膨らみます。これが赤色巨星の状態で、ベテルギウスもその1つ。

外側は膨らみ続け、中心には炭素と酸素の塊ができ、周りのガスは宇宙空間に流出。このガスが照らされると、惑星状星雲が作られます。こと座にあるリング星雲が有名ですね。芯の部分は「星の死骸」とたとえられる白色矮星と呼ばれます。

リング星雲のイメージ / Credit: depositphotos

質量が大きい星の場合

重い星になるほど、核融合反応が進んで重い元素が作られます。そして最期に超新星爆発が起こり、吹き飛ばされたガスが星雲を形成します。平安時代の記録にも残されている超新星爆発の名残、かに星雲が有名ですね。

おうし座にある、かに星雲(「かに座」にはないんです) / Credit: depositphotos

芯の部分は天体として形を保てる場合は中性子星になりますが、限界の質量を超えてしまうと、重力が重すぎて対抗できる圧力がなく、ブラックホールになると考えられています。

ブラックホールといえば、電波望遠鏡の記事で取り上げたように、昨年はじめて撮影が成功して話題になりましたよね。

Credit: EHT Collaboration

一度は見てみたいものですが、遭遇する確率は極めて低い超新星爆発。

でも、明るさの変化や色の違い、生まれたての姿の星団や最期がしのばれる星雲など、それぞれに星の人生のワンシーンが見られ、一生の移り変わりを想像することができます。

冬は空気が澄んでいるうえに明るい星が多く、天体観測に適したシーズンです。星の一生を感じる、そんな新しい観測はいかがでしょうか。

Credit: ofugutan(2020年1月16日撮影)オリオン座と、真ん中の赤っぽい星は巨星になりつつあるアルデバラン。右上の若い星たちのかたまり、プレアデス星団(すばる)との比較も味わい深い。

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月がもう一つ増える!?ベテルギウスが超新星爆発の前兆か

Rererence: Earth Sky, National Geographic, 星空案内人になろう!(技術評論社), EN. WikipediaOhio State University Astronomy 1144: Introduction to Stars, Galaxies, and Cosmology / written by ofugutan

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