気圧変動の解明
この現象は、火星の気圧変動にも大きく関係してきます。
火星は大気の95%以上が二酸化炭素で占められており、地表での大気圧は地球の僅か0.6%しかありません。
そして、火星の氷冠の深さは約1kmであり、現在の火星の大気に存在する二酸化炭素と同量のドライアイスを保持していると考えられています。
火星が公転する際に「ぐらつく」ことで、大気中の二酸化炭素がドライアイスになったり、逆に昇華したりします。当然大気中の二酸化炭素量が大きく変化するので、大気圧も影響を受けるのです。
大気圧が現在の4分の1から2倍にまで変化するプロセスは1960年に予測されていましたが、その仮説も今回の調査によって証明されたと言えます。
今回の調査は、火星の液体の安定性や居住性を含む火星の気候の変化を理解するための大きな進展となりました。