予測不可能な動きをする「不思議な振り子」の秘密

fun 2020/02/16
Credit: markhacks
point
  • 磁石を使った振り子は予測できない動きをする
  • 磁石振り子の動きは「カオス現象」を表わしている

通常の振り子の動きを予想するのは簡単でしょう。誰もが「おもりは同じ軌道上を何度も往復し、次第に止まる」という動きを予想できます。

しかし、単純な振り子でも、少しの要因を加えるだけで複雑な動きをするようになり、人間には予測不可能になります。

Vloggerのマークハック氏は、磁石振り子を作成しました。磁石振り子は通常の振り子の往復運動とは異なり、予想できない動きをします。

この動画は「laughingsquid」で紹介されました。

Magnetic Pendulum Randomly Moves in a Chaotic Way
https://laughingsquid.com/what-is-laughing-squid/

磁石振り子は予測できない動きをする

磁石振り子は、鉄球のおもりと、設置された複数の磁石で作られます。設置する磁石はどれも同じ極同士にします。

1つの磁石だけであれば、磁場は下図のようになります。鉄球には単純な力しか働かないので、動きを予想しやすいでしょう。

Credit:よくわかる電磁気学

しかし、複数の磁石がランダムに設置されると、磁場は下図のようになります。鉄球に働く力は、場所によって大きく異なります。

Credit:よくわかる電磁気学

いくつかの磁石による干渉が、振り子に不思議な動きをさせるのです。

ランダムではないが予測できない「カオス現象」

動画の磁石振り子はランダムに動いているように思えますが、正確にはランダムではありません。

振り子は磁場などの揺るがない力学の元に作用しているので、手を放す位置が同じであれば、必ず同じ軌道で動き、同じ場所で止まります。

しかし、動画のような振り子では、手を放す位置が少しでもずれると前回とは全く異なった動きをします。これは、複雑な磁場による干渉が原因です。

初期位置を毎回まったく同じにすることは難しいので、人間には振り子がランダムに動いているように思えるのです。

振り子の初期位置と軌道を表現した図。初期位置が少しずれるだけで軌道と終点は大きく変化する/Credit:Hiro Shimoyama

このように、初期条件の僅かな変化が結果に大きな差を与える現象を「カオス現象」、その理論を「カオス理論」と呼びます。

天気予報が100%の確率で当てることができないのも、カオス現象によるものです。

自然界は磁石振り子とは比較にならないほど複雑です。全く同じ条件など起こり得ませんし、複雑な物理法則の中では、小さな要因によって結果が大きく異なってしまいます。

振り子でさえ予測できないのに、もっと複雑な天気を完全予測することなど不可能です。

磁石振り子は、一見磁石による単純なおもちゃに見えますが、カオス理論を表現する「自然力学の縮図」とも言えるのです。

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reference: laughingsquid / written by ナゾロジー編集部
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